研究分担者 |
根岸 七雄 日本大学, 医学部・第2外科, 講師 (10059876)
新野 成隆 日本大学, 医学部・第2外科, 助手
一和多 雅雄 日本大学, 医学部・第2外科, 助手
鈴木 克行 日本大学, 医学部・第2外科, 助手
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研究概要 |
1.雑種成犬を用い, 腎動脈直下大動脈を結紮し, 24時間後に結紮解除することにより, MNMS類似の病態モデルを定型的に作成することができる様になった. 2.鉄・銅比の推移やSODの経時的変化, また心筋生検による未知Free Radical Spindleの発見等により, MNMSにおけるFree Radicalの関与を証明し得た. このことは最近になり, 多くの施設でも認められている. しかし, 現時点において, 最も強く関与しているFree Radicalを特定することは不可能であり今後の課題である. 3.我々の用いた血液単化法は, MNMSの原因物質の一つであるとされているミオグロビンやK+, 乳酸等を良好に体外へ除去することが可能であった. このことは臨床の面においても, 患者の腎機能保護や心肺機能改善に対し有効であると考えられた. しかし, 血液浄化による補体系の変動については, Filter自体による補体系の活性や溶血という因子が複雑に関与し, 一定の傾向を得られなかった. 4.臨床応用にむけて, 〓適フィルターの選択を目的とし, 〓工〓科製HC-100M, 旭メディカル社製AM-2000UP, XK-10の3種のフィルターを比較検討した. 結論として, 必要物質をできるだけ温存し, 有害物質を有効に除去するのにはXK-10のフィルターが最も優れていると考えられたが, 臨床応用においては, その得られる大腿動脈血液流量と時間. 全身状態等により, 必ずしも一つのフィルターに固執する必要がないと考えられた. また, 今後の問題として, フィルトレーションを中止する時期とその指標について検討する必要があると思われた.
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