研究分担者 |
鈴木 公孝 東京大学, 医学部(病), 医員 (60221321)
正木 忠彦 東京大学, 医学部(病), 医員 (30238894)
長島 郁雄 東京大学, 医学部(病), 医員
永井 秀雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (00164385)
阿川 千一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (00175788)
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研究概要 |
1.大腸内視鏡あるいは手術で得られた潰瘍性大腸炎(以下UC)33例の標本につき薄切切片法で細胞核DNAの定量を行った. 1)33例中9例(27%)がnon diploid(aneuploidあるいはpolyploid)であった. うち8年以上経過した24例中7例(29%)がnon diploid, 8年未満の9例中2例(22%)がnon diploidであった. non diploid9例中6例(67%)は全大腸型, 3例(33%)が左側型であった. 2)癌を合併して手術した3例が含まれているが, このうち2例の癌部位はaneuploidで1例はdiploidであった. dysplasiaは3例ともみられたが, 1例がdiploid+polyploidを示し, 他の2例はdiploidであった. 3)3例がindefinite for dysplasiaで経過観察中であるが, うち1例はdiploid, 他の2例はdiploid+aneuploidを疑っている. 4)各症例につき4μ, 7μ, 10μと連続した3つの切片を測定したが, 3者の間でヒストグラムの差は認められなかった. 2.1の結果の妥当性を評価するために, 一般の大腸癌12例につき, その癌部, 非癌部のDNA量の測定を, 薄切切片法(4μ, 7μ, 10μ)及び細胞単離法の2方法で行い比較検討した. 1)非癌部は全例diploidであった. 癌部位については, 7例(58%)がnon diploid, 5例(42%)がdiploidであった. 2)すべての症例につき, 薄切切片法, 細胞単離法の両者の間で, ほぼ同一のヒストプラムパターンを認めた. 3.今後, UC症例を増やして検討するとともに, 細胞単離法にてもこれを行ない, UC患者のsurveillamceにおけるDNA測定の意義についての知見を深めていきたい.
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