研究概要 |
1.ヒトにおける実験:ガストリノーマ患者7名インスリノーマ患者2名において, セクレチンdibutyryl cyclie AMP, ソマトスタチンを胃十二指腸動脈内に急速注入し肝静脈血を20秒毎に採取するSASIテストを施行した. ガストリノーマはセクレチンに100%, dbe AMPに9mg以上で50%, ソフトスタチンに50%の反応性を示した. インスリノーマはセクレチンに無反応, dbc AMPとソフトスタチンに75%の反応性を示した. invivoでの確認は新知験である. 将来内分泌腫瘍の局在診断に利用しうる結果と考えられる. 2.動物を用いた実験:犬を開腹し胃大網動脈に挿管しセクレチンを注入し門脈血を20秒毎に採取し血清ガストリン値(S-IRG)を測定した. 40秒以内に20〜30%の有意なS-IRGの上昇を証明した. 胃幽門洞G細胞もセクレチン容容体を有する可能性がある. dbcAMPソマトスタチン刺激の影響を検討中である. 3.培養細胞を用いた実験:ラット胃粘膜からG細胞に富む分画を得る工夫をしている. 現在8-10%のG細胞含有細胞浮遊液を得ており, 短期培養にてガストリンを培養中に放出し死滅せず実験に使用できることが確認された. 今後この細胞を用いてセクレチンとの反応性と各種ホルモンとの相互作用を検討する予定である. 4.アイソトープを用いた実験:^<125>I標識セクレチンを作成しており培養中のガストリノーマ細胞との結合実験を近日中に施行する予定である. これによりガストリノーマ細胞膜上セクレチン受容体の存在が証明できると思われる.
|