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1988 年度 実績報告書

胆管膵管合流異常例の胆汁脂質分析による胆道癌病因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 62570611
研究機関九州大学

研究代表者

柳沢 次郎雄  九州大学, 医学部, 助手 (40150453)

研究分担者 島田 和生  九州大学, 医学部, 医員
中垣 充  九州大学, 医学部, 助手 (90150440)
キーワード胆道癌 / 胆管膵管合流異常 / リゾレシチン分析 / フォスフォリパーゼ活性 / 高速液体クロマトグラフィー / 胆汁酸
研究概要

胆道癌、膵管胆道合流異常症例の内視鏡的逆行性胆道造影(ERCP)、経皮経肝胆道造影(PTCD)及び手術時採取胆汁を前年度に引き続き分析した。すなわち、胆汁をアルコール抽出後、総胆汁酸濃度、胆汁酸組成、遊離脂肪酸濃度、コレステロール濃度はガスクロマトグラフィー(GLC)、レシチン、リゾレシチンはアミノプロピルボンドエリュートで試料精製後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で各画分を分取、コリンとして測定した。フォスフォリパーゼ活性は我々がすでに報告していた方法に従って分析した。〔^<14>C〕レシチン、リゾレシチンの添加回収実験では回収率は95%以上でほぼ満足すべき結果を得た。膵管胆道合流異常症10例を本法で測定すると、リゾレシチンが全く生成されていない2例から、80%がリゾレシチンに変換された例まで%リゾレシチンに症例により大差があった。同症例の胆汁酸をGLCにて定量すると、胆嚢胆汁中胆汁酸濃度は正常コントロールの約1/5で二次胆汁酸であるデオキシコール酸比率の減少を認めた。膵管胆道合流異常症例において、大部分の症例で胆汁中レシチンは、膵液フォスフォリパーゼA_2により、ある程度リゾレシチンに変換され、しかもリゾレシチンはフォスフォリールコリンへの崩壊はされずにそのままの形でとどまっていることから、本症例では胆道系への慢性刺激が存在することが明白となった。本刺激は、胆道癌の発生に何らかの関係があると考えられる。
ハムスター胆嚢へリゾレシチンを注入する動物実験を予定していたが、実験系を確立するまでにいたらず、現在継続中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakano T.;et al.: Hepatology. 8. 1560-1564 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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