研究概要 |
臨床的研究おいてはstageII, IIIの治癒切除可能な胃上部癌で, 全摘+脾合併切除を必要とする症例を対象とし, 摘脾群と摘脾+脾自家移植群の2群に分け術後各時期における各種免疫パラメーター(末梢血T・B細胞数, NK活性, PHA幼若化率, PHA皮内反応, 免疫グロブリン, 補体価), 血小板数の推移および術後臨床経過について比較検討中である. 脾自家移植術は脾臓の1/3〜1/2量を.0.5×1.0×1.0cm小片にして, 閉腹直前に横行結腸間膜および小腸間膜に移植している. 現在まで8例に脾自家移植を行っているが, 99mTc-熱処理赤血球による移植脾の生着は2例が移植後1年目に確認され, 他の症例は移植後あまり日時が経過していないが, 3ケ月目での確認症例は経験していない. 文献的にはほとんどが術後3ケ月目に確認されており, この原因として脾シンチグラフィーまたは移植操作に問題があるものと考え目下検討中である. 実験的研究では現在までのところC57BL/6マウスを用いて, 1群:コントロール群(sham operation)20匹, 2群脾全摘群20匹, 3群;脾部分切除群(2/3切除)20匹, 4群;脾全摘+脾自家移植率(40%移植)40匹を作成しているが, これらのマウスを用いて術後3〜4ケ月目にLewis肺癌細胞(3LL)を背部皮下に1×10^5個を植え込み, 各群における腫瘍の生着増殖状態および生存率を比較検討する予定である. また同時にOK-432(IKE/マウス)の術後投与における影響についても検討する.
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