研究課題/領域番号 |
62570631
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 匡 東京大学, 医学部, 助手 (00201484)
|
研究分担者 |
五十嵐 寛 東京大学, 医学部, 助手 (30193171)
中島 淳 東京大学, 医学部, 助手 (90188954)
進藤 剛毅 東京大学, 医学部, 助教授 (70092244)
|
キーワード | 肺門縦隔病変 / 食道超音波内視鏡 / 肺癌所属リンパ節 / 部位同定 / 縦隔腫瘍 / 解像能 |
研究概要 |
A.基礎実験 目的:実験的に食道超音波内視鏡(以下EUS)と解剖所見を同時比較し、本検査における肺門縦隔病変、特に主腫瘍と肺癌取扱い規約上の所属リンパ節(以下LN)の部位診断および解像度について実験的検討を行った。 方法:雑種成犬に対し、麻酔下にEUS(東芝メディカル社製EPB-503F、7.5MHZ)を経口挿入した、両側開胸し、EUSの先端探触子の位置と方向を確認しつつ、肺門縦隔の解剖学的関係と画像所見とを対比した。LN該当部位に径10mmのbone waxを固定し、EUSで同定を行った。次に、bone waxの径を変え、最小解像能力を検討した。 結果:LNの同定法については、胸腔内の特徴的な脈管構造を見出し、そこからの相対的な位置関係から目的部位を検索する方式が解明された。即ち、僧帽弁前尖、大動脈弁、左心耳、下行大動脈、大動脈弓、左肺動脈、上大動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈の描出をまず行い、これとの関係から、LN#2、3、3p4、5、7、8、9、10の位置を求める方式が確立された。 解像度:本法では直系3mmまでのbone waxが検出可能であった。 B.臨床例:前年度に引続き臨床例の検討を行った。胸部疾患17名(うち肺腫瘍{原発性、移転性}9名、縦隔腫瘍4名)について検討した。主腫瘍については、肺腫瘍は肺門型または巨大腫瘤で縦隔に接していたもの、縦隔腫瘍は傍食道発生のものが観察可能であった。INは#2、3、4、7、8、10の腫張が手術所見と一致をみた。画像は低エコー境界明瞭な腫瘤陰影として認められ、最小径7mmまで検出できた。 結語:EUSではLNの大部分が描出可能であり、解像能は、実験的には3mmと胸部CIより優れていた。部位診断法の確立により、正確な情報を得られることがてきた。LN内部エコー像と転移の有無との関係については一定の傾向が見られず、今後さらに症例を重ね検討したい。
|