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1987 年度 実績報告書

心筋細胞内の過酸化脂質代謝を中心とした乳児期開心術における心筋保護の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570635
研究機関福井医科大学

研究代表者

村岡 隆介  福井医科大学, 医学部, 教授 (10026924)

研究分担者 井隼 彰夫  福井医科大学, 医学部, 助手 (70142841)
千葉 幸夫  福井医科大学, 医学部, 講師 (30111959)
キーワード乳児期心筋保護法 / 過酸化脂質 / セレン / グルタチオンパーオキシダーゼ / コエンザイムQ10
研究概要

ラットを, 1群:生後8〜12日目に乳児ラット(n=24), 普通飼料で飼育した成熟ラット(n=5), 3群:トルラ酵母を主体とした低セレン(Se), 低ビタミンE飼料で3ヶ月飼育した成熟ラット(n=5)に分類した. 心拍動のあるうちに心臓を摘出し, Nqnks液につけ105,000g1時間遠心した後, その上清液をSe, glutation peroxydase(GSHPx)の測定試料とした. 一方, 2群, 3群のラットについて, Tylerの方法で心筋ミトコンドリアを分離した. 測定は, Se含有量はフレームレス原子吸光法により, HSHPx活性はglutation reductaseの補酵素のNADPHの変化を測定し, 1分間に0.5μMのNADPHを酸化する酵素活性を1単位とした. ミトコンドリア浮遊液に含まれるCoQ_<10>は高速クロマトグラフィにより, 過酸化脂質は蛍光法により定量した. なお, 心筋, ミトコンドリアの蛋白量は, Lowryの方法で行ない, 蛋白1mgあたりに換算し, T検定により統計処理し, 比較検討した.
(結果)Se:1群 1.42±0.24×10^<-1>Mg/mg蛋白, 2群 0.28±0.04×10^<-1>, 3群 0.31±0.06×^<-1>であり, 2群3群間に有意差は無かったが, 1群は有意に高値を示した. GSHP×活性:1群:4.76±1.05×10^<-1>単位/mg蛋白, 2群8.03±0.57×10^<-1>, 3群 3.38±0.32×10^<-1>であり, 1群3群は2群と比べて有意に低値を示した. CoQ_<10>:2群 1.66±0.59Mg/mg蛋白, 3群 1.62±0.57 と両群間に有意差は無かった. 過酸化脂質:2群8.96±4.4nM/mg蛋白, 3群19.26±3.7で3群は有意に高値を示した. (考察), 乳児ラットはSe含有量が低いという報告が多いが, 今回測定で, 乳児はむしろ高い結果となった. しかしGSHPxは成熟ラットと比べ有意に低く, また低Se, 低ビタミンE食で飼育したラットは心臓内Seは低下しなかったが, GSHPx活性は有意に低下し, それに伴い過酸化脂質は有意に増加した. 乳児ラットの心筋の特殊性を示唆する結果が得られた.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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