研究分担者 |
能勢 晴美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80009571)
榎本 貴夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10134230)
伴野 悠士 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70110335)
中川 邦夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40092077)
本間 一弘 工業技術院, 機械研・バイオメカニクス課, 研究員
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研究概要 |
これまで核磁気共鳴画像における増強薬剤として臨床応用に供されてきたのはGd-DTPAだけである. 本年度は現在X線撮影に用いられているヨード基剤造影剤のParamagnetic作用について検討した. 実験に用いたヨード造影剤はアミドトリゾ酸(3.5-diacetamide-24.6-triicdobenzonic acid,CuHaI_3N_2O_4, 分子量613.92)である. 実験方法:径1cmの5本のガラスチューブを用いたファントム内にアミドトリゾ酸原液, および蒸留水による倍々稀釈による50%, 25%, 12.5%溶液をみたし, 対照に蒸留水を用いた. このファントムを室温にて0.15T常電導MRI装置を用いて撮像した. 使用したパルスシーケンスはSE法でTr=2000msec, Te=30, 60, 90, 120msecの4像を撮像した. 撮像した画像において経5mmのROIを設定し各チューブの画像上の輝度を測定し対照とした蒸留水との比を求めRerative T_2relaxation patleynを算出し経時的に比較した. 結果:アミドトリゾ酸を含んだ溶液はいづれも蒸留水よりもそのT_2緩和時間は短縮しており, その短縮度においてアミドトリゾ酸を多く含む液ほど著明になっている(図1). Te=30msecでは濃度差による緩和時間の相異が最も著明で濃度が濃い程緩和時間は短縮している. しかし, Te=120msecでは対照の蒸留水とアミドトリゾ酸の差はなくいづれも熱平衡状態に復しているものと相定される. 以上の結果よりヨード系の造影剤もMRIの増強薬剤としての臨床応用の期待がもたれるもので, 今後臨床例において更に検討を加えてゆく予定である.
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