研究課題/領域番号 |
62570651
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宜保 浩彦 信州大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (00135146)
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研究分担者 |
杉田 虔一郎 名古屋大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (30023807)
大東 陽治 信州大学, 医学部附属病院・脳神経外科, 助手 (10160615)
小林 茂昭 信州大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (50020772)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 脳底動脈 / 後交通動脈 / 後大脳動脈 / 中心枝 / 穿通枝 / 灌流領域 / 脳血管障害 |
研究概要 |
研究代表者は、脳血管障害の診断・治療に重要な脳血管の解剖、特にWillis動脈輪前判部(内頸動脈、中大脳動脈等)の血管および中心枝(穿通枝)について臨床的な見地から検討し報告してきた(米国フロリダ大学およびNIH.Grant 10978ー03)。 本研究では、脳底動脈、後交通動脈、後大脳動脈等のWillis動脈輪後半部の中心枝について、その数、親血管から分岐する部位、灌流分布領域、分布の特徴等に関して臨床解剖学的に検討し、諸関連学会で発表してきた(脳卒中の外科シンポジウム、第8回ヨーロッパ脳神経外科学会、第15、16、17回日本神経放射線研究会、第11、12日本脳卒中学会総会、第45、46、47回日本脳神経外科学会総会、第2回国際脳動脈瘤会議)。 その結果を要約すると下記の様になる。 1.脳底動脈本幹には20本の中心枝が存在し、その直径は、平均0.40mmであった。その内訳は、下方1/3から5本、中1/3から8本、上方1/3から7本が分岐していた。下1/3の枝は盲管、VII、VIII神経、中1/3の分岐は橋正中、内側、外側、V神経に分布した。上1/3の枝は脚間窩、上小脳脚に分布した。 2.後交通動脈は8本の分枝を有し、主に灰白隆起(5本)、後者孔質(2本)に分布した。脳下垂体へは、1本以下の枝が分布していた。 3.後大脳動脈近位部(Pー1)は、4本の分枝を有し、そのうち3本が穿通枝で脚間窩に、1本が回旋枝で四立体に分布していた。 4.これら中心枝の検討の研究成果の一部は、「脳下垂体に分布する動脈の外科解剖(英文)」、「内頸動脈とその分枝の外科解剖」として表出版した。 今後の課題としては、脳血管撮影等で確認された中心枝の閉塞例と、MRI検査等により確められた病巣、すなわち分布領域の相関について、多くの臨床例を検討することが必要である。
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