研究課題/領域番号 |
62570652
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
横山 徹夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20166896)
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研究分担者 |
龍 浩志 浜松医科大学, 医学部, 講師 (50115515)
植村 研一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60009561)
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キーワード | 聴覚誘発電位 / 中潜時成分 / 大脳皮質聴覚領野 |
研究概要 |
1)大脳皮質聴覚領野AI、AII部に径0.5mm(先端1mmを除き絶縁)のタングステン電極を刺入し記録した波形(Near field potentials)は、音刺激後、潜時約11msecに大きな陰性電位が現われる。頭蓋上記録(Far field potentials)の波形では、P6波以降の潜時は、P6:8.57±0.88msec、P7;11.08msec、Na;18.18±1.17msec、Pa;31.77±1.05msec、Nb;40.41±1.14msecであり、潜時上、この陰性電位は、P7波に近いことが判明した。 2)AI、AII部除去前後の波形の比較では、Near field陰性電位の振幅は、一側のAI、AII除去後39.1±10.9%、両側のAI、AII除去では77.6±16.6%の減少を来たした。Far fieldの波形は、一側AI、AII除去にてP6;1.1±2.2%、P7;51.7±15.2%、Na;29.9±9.7、Da;19.2±9.5%の減少を、両側除去にてP6;6.7±6.5%、P7;81.7±17.4%、Na;48.7±7.4%、Pa;21.3±10.7%の減少を来たした。振幅の減少の上では、P7波が最も著明であり、AI、AII部との関係が最も示唆された。 3)従来大脳皮質聴覚領野AI、AII部由来とされたNa、Pa波は、AI、AIIの除去にて著明な変化はみられず、むしろ皮質聴覚領野以外の部が起源として考えられた。そこでさらに上位の大脳半球皮質を除去したところ、一側の半球皮質の除去にてNa;33.0±10.7%、Pa;47.5±13.8%の、両側半球皮質の除去にて、それぞれ100%の減少を来たし波形は、消失した。以上よりNa、Pa波は、大脳皮質聴覚領野由来というよりは広範な大脳皮質を由来とした電位であることが考えられた。
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