研究課題/領域番号 |
62570652
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
横山 徹夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20166896)
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研究分担者 |
龍 浩志 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50115515)
植村 研一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60009561)
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キーワード | 視床内側膝状体 / 大脳皮質聴覚領野 / 聴覚誘発電位 / 細胞外記録 |
研究概要 |
1)細胞外電極記録により視床内側膝状体より30個のユニット反応が得られ、そのうちの17個がクリック音刺激に対し一対一の対応がみられた。これらのtime locked respcnseを呈したユニットにつき以下のような検討を加えた。これらユニットは、陽性-陰性の2相性波からなり、シングルスウィ-プでは明らかではないが、50回、200回加算した波形とFar fieldの波形とを比較すると、陽性波はN7波、陰性波はP7波に主に相当していた。N7、P7波の平均頂点潜時は8.7±0.21msecおよび10.7±0.1msecであり、陽性波および陰性波のそれは、それぞれ8.36±0.44msecおよび10.80±0.19Mmsec(200回加算の波形)であり、統計上(t-test)ではN7波と陽性波、P7波と陰性波の間で潜時において有意の差は認められなかった。 2)大脳皮質聴覚領野AI部よりの記録では、10匹のネコより21個のユニットが得られ、そのうちの14個がtime lockedに反応するユニットであった。14個のうちの3個は、比較的分離されたユニット反応であったが、残りの11個は、negative field potentialsであった。3個のユニットの陽性波は、N7波に、陰性波はP7波に主に相当していた。negative field potentialsの活動は広くN6、P6、N7およびP7にまで及んでいた。N7およびP7波の平均頂点潜時は、8.7±0.1msecと10.71±0.66msecであった。一方陽性波の平均頂点潜時は、8.05±0.05msec(200回加算)であり、陰性波およびnegative field potentialsのそれは、10.90±0.93msecであった。それぞれの間には、内側膝状のユニット同様に、有意の差は統計上みられなかった。 視床内側膝状体および大脳皮質聴覚領野AI部のユニットは、波形上far field potentialsの波形とphase reversalの関係があり対応がみられたが、ユニットの潜時では、両者共にN7、P7波と関係しており、両者間のtemporalな差は認められなかった。
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