研究課題/領域番号 |
62570653
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 助手 (40158449)
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研究分担者 |
井上 達 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80184737)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | GFAP / NSE / Fibronectin / モノクローナル抗体 / Glioma / Oncogene / cDNA / 神経分化抗原 |
研究概要 |
ヒトglioma組織およびヒトglioma細胞株の可溶化溶液をWestern blot法により解析した結果、GFAPは40ー50kd、NSEは50kd、fibronectinは230kd、我々が作成したモノクローナル抗体によって同定されるglioma関連抗原(Gー22)は67kd領域に明らかなbandとして検出され、これら神経分化抗原が、ヒトglioma細胞に発現されていることが確認された。さらにそれらの抗原量をdot blot法、ELISA法、RIA法等により定量する方法を確立し測定した結果、同じヒトglioma細胞でも、細胞株により発現量は異なっており、抗原量のheterogeneityが確認された。又各神経分化抗原間の相互関係を調べた結果、GFAPとfibronectin、GFAPとGー22とは逆相関する傾向が示唆された。一方、腫瘍の発癌、増殖、分化に関係する発癌遺伝子のヒトglioma細胞での発現の有無をnothern blot法により検索したところ、今回調べたNーras、Nーmyc、Cーmyc、Cーfosすべての発現が確認された。又その発現量をRNA dot hybridazation法により解析した結果、発現量には一定傾向が観察されず、又神経分化抗原との相関関係も現在のところ不明である。次にADPーリボシル化阻害剤(nicotinamide)レチノイド誘導体(DMSO)等の分化誘導因子にて外来刺激を加え、発癌遺伝子の発現量の変化を検討した結果、nicotinamide刺激により形態学的変化(胞体の縮小と神経突起の伸長)が観察されるとともにCーfos発現量の増加が認められた。この点に関しては今後更に詳細な検討が必要と考えられた。我々は本研究の一部としてヒトGFAPのcDNAのクローニングに成功しており、今後は神経分化抗原と癌遺伝子との相互関係を蛋白レベルのみならず遺伝子レベルで解析する予定である。
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