研究課題/領域番号 |
62570654
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 立夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (20188022)
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研究分担者 |
服部 和良 名古屋大学, 医学部, 医員
田中 孝幸 名古屋大学, 医学部, 医員
小林 達也 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10093030)
HATTORI KAZUTOSHI Nagoya University School of Mecicine
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | アルゴンレーザー / アルゴンダイレーザー / 光化学療法 / 悪性脳腫瘍 / ヘマトポルフィリン誘導体 / T_9 gliosarcoma / ラット移植脳腫瘍 |
研究概要 |
悪脳腫瘍に対する治療法には手術、放射線、化学療法とあるが従来の治療成績は悪く2年生存率は50%以下である。そこで腫瘍細胞のみを選択的に傷害できる方法が必要となりヘマトポルフィリン誘導体を腫瘍細胞に取り込ませ、631nmのレーザー光線を照射し腫瘍細胞を破壊する実験を施行した。1.T_9 gliosarcoma cellを培養しF344、Ratの脳内に10^6コ移植し作製した脳腫瘍モデルは27.5±6.0(S.D)日(N=6)の生存日数であった。腫瘍径8〜9mmとなり全身衰弱死であった。2.脳腫瘍モデル作製後5日目にヘマトポルフィリン誘導体を10mg/kg体重で、腹腔内投与した群は20匹であるが、生存日数は28.4±4.8(S.D)日であった。ヘマトポルフィリン誘導体投与量を20mg/kg体重投与群18匹、では25.7±6.2(S.D)日の、生存日数で、10mg/kg体重の方が良好であった。全例の死因はやはり腫瘍死で腫瘍径7mm以上であった。3.脳腫瘍モデルを作製し5日目にヘマトポルフィリン誘導体を10mg/kg体重腹腔内投与しその48時間後に全身麻酔下に小開頭手術をおこなった。(1)開頭したのみでレーザー照射をしてないsham operation群6匹の生存日数は25.7±3.1(S.D)日であった。(2)、レーザーファイバー先端がcylinder typeのものを腫瘍内へ5mm挿入し150mW、15分間照射群7匹は17.6±9(S.D)日。(3)レーザーファイバー先端がflat typeのものを腫瘍表面に接触させ同量を照射した7匹は27.1±4.0(S.D)日の生存日数であった。いづれも温熱が加わっていないことをサーミスターで確認しているが、レーザー治療群の中には腫瘍内出血や著明な脳浮腫により脳ヘルニアで死亡している例がみつかった。cylinder typeの治療群の中には31日生存した例もあり脳内腫瘍は壊死空洞化していた。腫瘍内出血や脳浮腫を予防する方法をとることができれば今後レーザー光化学療法は有用となりうる。
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