研究課題/領域番号 |
62570657
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有田 憲生 大阪大学, 医学部, 助手 (80159508)
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研究分担者 |
山田 和雄 大阪大学, 医学部, 助手 (90150341)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 講師 (20135700)
最上 平太郎 大阪大学, 医学部, 教授 (00028309)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | brain tumor / germ cell tumor / karyotype / neuron specific enolase / placental alkaline phosphatase |
研究概要 |
1.頭蓋内原発胚細胞腫症例における染色体分析、症例の体細胞染色体分析を行なった。現在までの男性9例、女性1例の計10例におけるKaryotype analysisの結果は、46XYまたは46XXで染色体異常を認めていない。今後、さらに臨床別における分析を進め、Klinefelten症候群合併が頭蓋内原発例にも存在するかどうかを検討する予定である。2.頭蓋内胚細胞腫の培養細胞株樹立の試み 17才男性に発生したトルコ鞍上部germinomaの手術材料より、腫瘍細胞を培養することに成功した。現在、培養開始後7ケ月が経過し、継代回数は10代に達しているが、permanent cell lineとして確立するための研究を継続中である。本腫瘍は組織学的にpure germinomaで、免疫組織学的検討ではplacental alkaline phosphatase(PLAP)が陽性である。培養細胞はやはりPLAPが陽性で、この他にvimentin、cytokeratinに陽性染色を示す細胞が存在する。本細胞を用い、細胞分化あるいは癌抑制遺伝子検出などの検討を進める予定である。3.抗neuron specific enolase(NSE)および抗Leu7抗体による頭蓋内germ cell tumorの免疫組織学的検討 臨床手術標本を用いて免疫染色を行なったところ、抗NSE染色ではgerminomaおよびembryonal carcinowaが陽性、choriocarcinowaは陰性、抗Leu7染色ではgerminowaの一部で陽性であった。従来報告されているAFP、HCGおよびPLAPなど以外に、NSEおよびLeu7がgerm cell tumorとくにgerminomaの腫瘍マーカーとして有用であると考えられる。髄液中NSE濃度測定では、一部高値を示す症例が認められ、NSEは臨床経過を示す腫瘍マーカーとして利用できると考えられる。
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