研究課題/領域番号 |
62570658
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 講師 (20135700)
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研究分担者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
山田 和雄 大阪大学, 医学部, 助手 (90150341)
森本 一良 大阪大学, 医学部, 助手 (50116117)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 脳虚血 / 脳梗塞 / 脳移植 / 脳刺傷 / 脳損傷 / 細胞増殖 / 砂ネズミ / 海馬 |
研究概要 |
1)脳梗塞にともなう細胞増殖および細胞浸潤の解析 砂ネズミの後交通動脈閉塞後の脳梗塞巣周辺細胞の動的変化を観察した結果、アストロサイトが1日後から5日後にかけて急速に増加し、とくに3日後に最も活発に増殖することを明らかにした。梗塞周辺部ではさらに各種血液由来細胞の浸潤がみられ、このうち大喰細胞はインターロイキン1(ILー1)を産生することが観察され、そのアストロサイト増殖促進作用や間接的な神経栄養作用が注目された。 2)予備的微小損傷による虚血性神経細胞障害の防止 まえもって加えられた軽微な損傷により、次に加えられる大きな損傷の影響を軽減しうる可能性を考え、砂ネズミ海馬に微小刺傷を作成した後一過性脳虚血をもたらした。その結果、刺傷周辺部の錘体細胞に限って虚血性細胞死を免れることが明らかにされ、損傷に伴い脳組織を保護する機序が実際に活性化されうることが示された。 3)未分化脳細胞の移植、とくにその増殖能と分化度の検討 正常ラット脳室上衣下層では例外的に脳の成熟後も活発な細胞増殖を行っていたが、新生仔ラット脳室上衣下細胞を成熟ラット海馬内に移植し、細胞の増殖能および分化度を検討した結果、移植細胞は節度をもって一定限度の大きさに成長するものの、神経細胞への分化はみられなかった。そこで胎生期の脳室上衣下細胞を移植したところ、その多くが神経細胞に分化した。 4)移植脳組織の梗塞巣内での生着率 実際に梗塞におちいった脳組織への細胞移植を検討するため、成熟砂ネズミ梗塞海馬巣に新生仔の海馬組織を移植した。その結果、正常海馬に比べ一過性虚血7日後の海馬に移植された際、移植組織の生着および神経細胞の生存が良好であることを見いだした。
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