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1987 年度 実績報告書

脳虚血急性期における血行再建術の有効性についてのNMRからの検討

研究課題

研究課題/領域番号 62570659
研究機関神戸大学

研究代表者

藤田 勝三  神戸大学, 医学部付属病院, 講師 (60093530)

研究分担者 松本 悟  神戸大学, 医学部, 教授 (10030850)
キーワードMRI / 脳梗塞 / 脳血管関門 / 虚血性脳学腫
研究概要

基礎実験として, Wistar rat20匹を用い(1)高度閉塞群として, 両側頚動脈及び田村らによる1側中大脳閉塞を, (2)中等度閉塞群として, 1側頚動脈閉塞と同側の中大脳動脈閉塞を, (3)軽度閉塞群として1側中大脳動脈のみを閉塞して3群の閉塞モデルを作製し, 脳梗塞の程度とEvens BlueによりBlood BrainBrudiの障害程度を検討した. その結果, 高度閉塞群では1側大脳半球のほぼ全域に虚血巣を認め, 又広範囲にevens blueの漏出を始めた.
中等度閉塞群では, 即頭葉及び頭頂葉の白質と皮質部に虚血巣と, evans blueの漏出, 又軽度閉塞群では, 側頭葉の皮質及び海馬に虚血巣の変化を認め, 一部にevans blueの漏出を認めた.
つぎにWistar rat40匹を用いて, これら3群の閉塞モデルを作製し, MRI画像の変化, Gd(ガドリウム)注入によるT_1値の変化及び虚血後の総自由水の変化を計測し以下の結果を得た. (1)MRI画像では, 高度閉塞群で閉塞6時間後でT_2画像に変化を認め, T_2値の延長を認めたが, 軽度, 中程度閉塞群では変化を認めなかった. しかし閉塞12時間後では, 軽度及び中等度閉塞群においてもT_2画像に変化を認めT_2値の延長を認めた. 又24時間後では, T_1及びT_2画像でも, 高度, 中等度, 軽度閉塞群において虚血巣の検出が可能であり, T_1及びT_2値の延長を認めた. (2)正常ラットにおける脳組織の自由水含量は単位体積当り, 66.6±5.1%, 閉塞群では閉塞6時間後, 72.6±2.9%, 12時間後74.2±2.7%, 24時間後84.1±4.3%, 48時間後89.6±2.9%であり, 12時間以降優位に増加した. (3)Gd注入により, 高度閉塞群では6時間後より, 又中等度及び軽度閉塞群では12時間後にT_1値の短縮を認め, Gdは虚血性浮腫の診断に有用であることが判明した. 以上より, 虚血性脳浮腫において, MRIはT2の方が鋭敏であり, T_2値は脳組織変化, 結合水変化に対し, T_1は自由水度化に対応するといえる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松本悟, 山下晴史, 藤田勝三: 厚生省神経疾患研究報告書. 2. 107-112 (1987)

  • [文献書誌] 藤田勝三, 松本悟: 脳神経外科.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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