研究課題/領域番号 |
62570665
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
朝倉 哲彦 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)
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研究分担者 |
古賀 靖之 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (90195701)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (30172612)
笠毛 静也 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60161014)
楠元 和博 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (40145488)
門田 紘輝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00094136)
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キーワード | 難治てんかん / 外科的治療 / MRI / T_2延長 / 海馬萎縮 / 複雑部分発作 / 燐代謝低下 / てんかん原性焦点 |
研究概要 |
薬物療法に抗して難治性を示すてんかん患者において、難治性をもたらす要因は数多くある。それらの中で外科的治療の対象となるものを検索するには、従来の診断技法に加えて、近年益々発達しつつある画像診断法を取り込まなくてはならない。 われわれは、今までにX線CT、空気断層脳定撮影法を駆使し、みるべき成果を挙げて来たが、当該年度はとくに磁気共鳴断層画像の応用に努めた。 低磁場常伝導装置により高磁場超伝導装置に及ぶ一連の装置を用い、多くのてんかん原性病変を検出し、これに外科的治療を加えて好成績を挙げ逐次関連諸学会で発表してきたところである。X線CTで検出され得ないような病変かMRIで見出されることは重要で向後なお難治性症例を広く検索する時、その成果が期待される。 一方、難治性症例の大半を占める複雑部分発作例ではてんかん原性病変は見出されなくても、しばしば発作発射を来す焦点側の海馬にT_1、T_2値の変化がみられることが知られた。とくにT_2値の延長が判然みられることは、きわめて特異的な所見であると思われる。現在、比の所見と手術による切除組織の所見とを対比しつつある。 さらに超伝導2.0T磁場における燐スペクトロスコピーの検討により複雑部分発作例の海馬部において燐代謝が低下していることを示唆する所見を得た。 ポジトロンCTを用いたブドー糖代謝が、てんかん原性焦点で低下していることはすでに報告されているが、MRスペクトロコピーによるものは初めてである。組織変化と共に向後に追究すべくまた実りある分野と考えられる。
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