研究課題/領域番号 |
62570665
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
朝倉 哲彦 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)
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研究分担者 |
寺田 耕作 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00207482)
笠毛 静也 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60161014)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30172612)
楠元 和博 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40145488)
門田 紘輝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00094136)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 難治てんかん / てんかん外科治療 / MRI / 複雑部分発作 / てんかん原性焦点 / MRS / てんかん |
研究概要 |
難治てんかんをもたらす要因の解析と外科治療の確立は急務である。真に難治性であれば外科治療を施すべくその病態を解析し適応決定とそれに適する術式の確立を目指す目的でこの研究を行なった。 我が国におけるてんかんの外科治療の現況は、対象日本脳神経外科学会指定訓練施設568施設で難治てんかんに対しはての外科治療を行なっている施設は全体としては29施設で5.1%、年間の手術件数としては通算年間50例程度しか行なわれていない。またてんかんの外科は焦点切除、側頭葉切除に限定され、真のてんかん外科、すなわち遮断外科はほとんど行なわれていないと言ってよい。調査の結果はこの方面の設備の充実とスタッフの訓練が極めて不十分であることを示している。研究面では、焦点その発射伝播に関する実験ならびに臨床的研究が進み、また神経放射線学とくにMRI等からの焦点性てんかんの診断、伝播の研究に対する知見が得られた。難治てんかんの焦点の形態的把握を目的として種々の検討を行ない、cryptogenic lesionへの形態的アプロ-チをMRIを中心としてより明確化した。難治性症例の大半を占める複雑部分発作例では、焦点側の海馬にT_1、T_2値の変化がみられる。SIDAC法(Spectroscopic Imaging by Dephasing Amplitude Changing法)による^<31>P-Chemical Shift Imaging(CSI)では、複雑部分発作例の海馬部において燐代謝が低下していることを示唆する所見を得た。器質性病変を伴うものでは高エネルギ-燐酸、無機燐はそれぞれ低下する傾向にあった。このように^<31>P-CSIはてんかん原性病変のエネルギ-代謝の把握に有用と思われる。 てんかん外科適応の決定に関する方式が確立すれば他の脳神経外科施設でもこの治療に踏切る所もでて来ると考えられ、先駆的役割を果すことになると考えられる。
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