研究課題/領域番号 |
62570669
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
辻田 喜比古 帝京大学, 医学部, 講師 (50163803)
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研究分担者 |
水野 重樹 帝京大学, 医学部, 助手 (60200010)
北條 俊太郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (70133072)
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キーワード | transferrin / glioma / glial fibrillary acidic protein / vimentinSDS-PAGE |
研究概要 |
トランスフェリンはグリオーマの代謝ならびに増殖に関して重要な働きを有していることが、今までの研究により明きらかとなったが、トランスフェリンは、神経組織の分化に関しても重要な働きを有していると言われている。一方、グリオーマは細胞骨格の中間径フィラメントとしてグリア線維(GFA)とビメンチンの両者を有しているが、分化度の違いによって、その合成ならびに発現に変化を生じると言われている。そこで、トランスフェリンがグリオーマの中間径フィラメントの合成ならびに発現にどのような変化をもたらすのかを調べた。 〔材料と方法〕 ヒトグリオーマ細胞U_<25.1>MGを75cm^2flaskでconfluentとしたあとトランスフェリン50μg/mlの存在する環境下と、トランスフェリンの存在しない環境下とで培養し、1週間目ならびに2週間目に、その中間径フィラメント蛋白量に差を生じるかどうかをみた。それぞれの細胞を、SDSを含むTris緩衝液にて融解させ、β-mercaptoethanolを添加後、熱処理し、それぞれの細胞の全蛋白量を同一とした条件下で10%SDS-poly-acrylamide gelにて電気泳動した。gelをCoomasie brilliant blueにて染色後、densitometerにてGFA蛋白、vimentin蛋白に相当するbandの濃度を測定し、それぞれの相対的蛋白量を算定した。 〔結果と考察〕 培養液中のトランスフェリンの有無で、ヒトグリオーマ細胞U_<251>MGの中間径フィラメント蛋白量には明確な差は生じなかった。染料の蛋白量への結合能と、densitometerの感度にも問題があると思われる現在[C^<14>]leucine,[^<35>S]methionineを用いて、単位時間内に生合成される中間径フィラメント蛋白量に、トランスフェリンが影響をもたらすかどうかを検索中である。またmRNAの段階でも、差異がみられるか、in vitro蛋白合成系での実験を予定している。
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