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1988 年度 実績報告書

静脈付皮膚移植の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570691
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

玉井 進  奈良県立医科大学, 整形外科, 教授 (10075088)

キーワード静脈付皮膚移植 / 静脈皮弁 / マイクロサージャリー
研究概要

実験I:Axial pattern flapの静脈系を利用した静脈付皮膚移植片の検討。
3ー5kgの白色家兎(48羽)の両耳を使用した。家兎耳中央部に4.5×3.0cmのaxial pattern flapをデザインし、神経血管束を温存したままで軟骨面より剥離挙上したのちに元の位置に戻して固定した。その后中心動脈、神経を切離し植皮片内の中心静脈のみを温存した静脈付皮膚移植片の状態とした。植皮片内の通過静脈として温存した中心静脈に、静脈血ならびに動脈血を液入流出させることによって、移植床が血行不良な場合の生着の有無を検討した。
その結果、静脈血が流入、流出する静脈付皮膚移植片は、表皮壊死をきたしながらも生着した。(昭和62年度報告)
動脈血が、静脈系を逆流して、流入、流出する静脈付皮膚移植片は、1本の静脈灌流路では壊死に陥り、2本の静脈灌流路を温存した場合には、一部表皮壊死を生じながらも生着した。静脈血、動脈血どちらの流入流出する場合でも表皮壊死の部位は、植皮片内の静脈綱の粗な部分と一致していた。
実験II:Nominated arteryを含まない静脈付皮膚移植片の検討。
実験Iと同様に白色家兎(37羽)の両耳を使用した。家兎耳の軟骨面を移植床とし、植皮片内に中心動脈が含まれないように、3.0×4.5cmの静脈付皮膚移植片を作製した。この植片片の中央には1本の通過静脈のみが走行し、この通過静脈に順行性に静脈血、動脈血を流入流出させることによってその生着の有無を検討した。その結果、家兎耳に作製したNominated arteryを含まない梢脈付植皮片が移植床が血行不良な場合でも、その静脈系に静脈血あるいは動脈血を流入流出させることによって生着することが証明された。生着にとって、植皮片内の血管綱の分布状態は重要な要素であると思われた。実験IIで作製したモデルは、実験Iに較べてより臨床応用に近く実際的であると考えられる。(昭和63年度)

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 稲田有央: 日本手の外科学会誌. 4. 244-248 (1987)

  • [文献書誌] 福居顕宏: 形成外科. 31. 269-274 (1988)

  • [文献書誌] 稲田有央: 日本手の外科学会誌. 5. 613-618 (1988)

  • [文献書誌] Fukui,A.: Journal of Reconstructive Microsurgery. 4. 223-231 (1988)

  • [文献書誌] Inada,Y.: Journal of Reconstructive Microsurgery.

  • [文献書誌] 稲田有央: 形成外科.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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