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1988 年度 実績報告書

ハロゲン化麻酔剤による肝障害発生の機序について

研究課題

研究課題/領域番号 62570706
研究機関鹿児島大学

研究代表者

鮫島 照子  鹿児島大学, 医学部, 助手 (10041328)

研究分担者 宮尾 純子  鹿児島大学, 医学部, 助手 (70107879)
キーワード肝障害 / ハロゲン化麻酔薬 / 遊離肝細胞 / 細胞代謝 / 酸素濃度
研究概要

ハロゲン化麻酔薬であるセボフルレン、エンフルレン、イソフルレンの肝細胞に対する影響をラットのヘパトサイトを用いて、培養ガスの酸素濃度を95%と5%として系で、生存率、遊離酵素活性、エネルギー代謝、細胞代謝を測定する事により検討した。培養は各酸素濃度下で、1.5%セボフルレン、1.5%エンフルレン、1.2%イソフルレンを通気しながら37℃で45分間おこなった。生存率は両酸素濃度の全群で培養に伴い低下し、95%酸素無麻酔群と比較して5%酸素麻酔群で有意に低下した。GOT、GPT、LDHの酸素活性は両酸素濃度の全群で培養に伴い上昇し、95%酵素無麻酔群と比較して5%酸素麻酔群で有意に上昇した。ATP、エネルギー荷、ATP/ADP・Pi比は95%酸素群で培養に伴い上昇し、無麻酔群と比較してATPは全群で、エネルギー荷、ATP/ADP・Pi比はイソフルレン群で有意に上昇した。一方5%酸素群では培養45分でATP/ADP・Pi比は変化しなかったが、ATP、エネルギー荷が低下した。また95%酸素無麻酔群と比較して、ATP、エネルギー荷、ATP/ADP・Pi比のいづれも麻酔群で有意に低下した。グルコースは両酸素濃度の全群で培養に伴い上昇し、95%酸素無麻酔群と比較し25%酸素麻酔群で有意に上昇した。乳酸、ピルビン酸は両酸素濃度の全群で培養に伴い上昇した。95%酸素無麻酔群と比較して乳酸は5%酸素麻酔群で有意に上昇し、ピルビン酸は5%酸素麻酔群で有意に低下した。L/P比は95%酸素群では培養に伴い低下し、5%酸素群では上昇した。また95%酸素無麻酔群と比較して両酸素濃度の全群で有意に上昇したが、5%酸素群では急激な上昇がみられた。以上の事より5%酸素濃度の系では、ハロゲン化麻酔薬により肝障害が生じやすく、この障害の発生には、エネルギーレベルの低下、乳酸産生の亢進が関与する事が考えられた。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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