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1988 年度 実績報告書

アセチルコリン受容体並びにNaチャンネルに対する麻酔薬の作用機序の解析ー培養副腎髄質細胞での検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 62570713
研究機関産業医科大学

研究代表者

重松 昭生  産業医科大学, 医学部・麻酔科, 教授 (30037428)

研究分担者 和田 明彦  産業科大学, 医学部・薬理学, 助教授 (30131949)
キーワードAdrenal medulla / Calcium / Sodium / Catecholamine / Ion channels / Secretion / Anesthetics.
研究概要

前年度、私達は、ケタミン、ドロペリドール、フェンサイクリジンなどの全身麻酔薬が、(1)電位依存性Caチャンネルを阻害しないが、(2)ニコチン受容体ーイオンチャンネルを介する細胞内へのNa流入、並びに、(3)電位依存性Naチャンネルを介する細胞内へのNa流入を抑制することによって、結果的には、カルバコール、ベラトリジンによるCa流入、カテコールアミン分泌を低下させることを示した。本年度は、
1.^3Hーフェンサイクリジン結合:ニコチン様受容体ーイオンチャンネル複合体近傍(Kd4.3μM)並びに、電位依存性Naチャンネル近傍(Kd77.4μM)に結合した。この結合は、カルバコール、ムスカリン、クラレ、ヘキサメトニウム、テトロドトキシン、ベラトリジン、αーサソリ毒では阻害されなかった。ドロペリドール(100μM)、ケタミン(100μM)は、結合を40.3、80.1%まで低下させた。
2.電位依存性Naチャンネル:^3Hーサキシトキシニン結合はkd5.8nM、Bmax427.2fmols/10^7cellsであった。ケタミン(1mM)は結合を阻害しなかった。
3.ニコチン様受容体:^3H-l-ニコチン結合のkd(50μM)は、l-ニコチン作用のEC_<50>(16μM)とほぼ一致した。結合は、saturable,reversibleであり、association dissociationのhaef-timeはそれぞれ90秒であった。ケタミン(100μM)は結合に対して影響をあたえなかった。
以上、1.全身麻酔薬は、ニコチン様受容体ーイオンチャンネル複合体並びに、電位依存性Naチャンネルに機能的に連関した部位に結合し細胞内へのNa流入を阻害するが、その正確な結合部位は同定し得ないこと、2.ドロペリドール、ケタミンは、それぞれ1度の差はあるものの、フェンサイクリジンと結合部位を共有することが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高良裕,和田明彦: 医学のあゆみ. 3242 (1989)

  • [文献書誌] 古賀和徳,重松昭生: 麻酔. 37. 1484-1491 (1988)

  • [文献書誌] 松本尚浩,重松昭生: 臨床麻酔. 12. 1431-1435 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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