研究概要 |
器官培養下のヒト精巣およびラット精巣にhuman menopausal genadotropin(hMG)およびhuman chorionic gonadotrapin(hCG)を投与した後follicle sumulating hormone(FSH)受容体およびluteinizing hormone(LH)受容体の変化を観察し, これら受容体の制御機構を検討した. ヒトおよびラット精巣組織はそれぞれ前を腺癌患者Wistarラットより得た. hMGまたはHcgをそれぞれ4V/ml, 800/mlの濃度で培養液に加え, 24時間培養した後, 毎日培養液を交換し培養を続けた. 培養開始後1, 3, 5, 7, 14日後に精巣組織のFSHおよびLH受容体をそれぞれ測定し, hMGおよびhCGを加えないコントロールと比較検討した. ヒトのFSH受容体は1日後でhMGを添加していないコントロール値の約40%に減少し, 7日後より再び増加し, 14日後には, ほぼコントロールと同じになった. ラットのFSH受容体は1日後で, ヒトの場合と同様にコントロール値の約40%に減少したが, ヒトより回復がはやく, 2日後より再び増加し始め, 7日後でほぼコントロール値と同じになった. hCG添加によるヒトおよびラットのLH受容体の変化はヒトおよびラットのFSH受容体の変化とほぼ同様な結果であった. 以上の結果より, ヒトおよびラットの精巣FSH, LH受容体はhMGおよびhGの精巣への直接作用によって, down regulationを受け, FSHおよびLH結合部位が減少すると結論された.
|