研究概要 |
1性機能調査表による検討 あらかじめ男子性機能に影響を及ぼすことが判っている抗男性ホルモンを前立腺肥大症患者に投与して、その投与前後で性機能調査表Eに記入してもらい性機能調査表が薬物の影響を正しく判定できるか検討した。調査項目は性欲,勃起,射精、オーガスなどに関する15項目で、これら15項それぞれの状態を等間隔表示 (0〜10まで11段階) と対数表示 (0,1,3,10の4段階) の2方法でSCORE化し、このSCOREの変化で薬物の影響を判定すると同時に、どちらの表示法がより有効か検討した。その結果今回使用した調査表は薬物の男子性機能に与える影響をよく判定できることが判った。特に対数表示の方が有利であることが判った。 2エレクチオメーターによる検討 質問紙による調査は客観性と言う点で問題があるので同時にエレクチメーターで勃起の状態を記録した。その結果多くの問題はあるが勃起状態を本法でも判定できるとこが判明した。 3超小型勃起記録装置による検討 エレクチオメーターを使用した場合の最大の問題点は夜間の陰茎周径の最大延長は記録できても勃起の特徴時間や頻度は全く不明であるという点である。そこでわれわれはエレクチオメーターに代わるものとして新開発の超小型の勃起記録装置を使用し、薬物のREM睡眠期にみられる夜間勃起 (NOCTURNAL PENILE TUMESCENCE:NPT) に及ぼす影響について検討中である。本装置は患者に貸し出せるようICメモリーカードを使用した超小型のもので、装着が極めて容易で、ICメモリーカードに記録されたデータの解析も容易であり薬物のNPTに及ぼす影響が客観的に判定できると考えている。
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