研究課題/領域番号 |
62570739
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
林 博章 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20164957)
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研究分担者 |
斉藤 豊一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80201507)
阿部 政彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20202682)
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キーワード | Oncotrophoblastic Antigens / モノクローナル抗体 / 絨毛癌 |
研究概要 |
1.癌トロホブラスト抗原と確認されたものに対して、その免疫物理化学的性状に関して、免疫原であるBewo細胞を、^<35>S-methionineにて代謝ラベル及び^<125>Iによる表面膜抗原のラベルにおいて特異的及びパターンは認められなかった。^<125>I-protein Aを用いたwesten blot法において抗原を同定することはできなかった。 2.患者血中における癌トロホブラスト抗原の検出の試み。各モノクローナル抗体のImmunoglobulinのisotypeは同定されたが、抗原の生化学的検案が未だ不明のため、患者血清を用いたNitrocellulose膜を用いた、dot blotにおいてもcontrolと有意な差は認められなかった。単クローン抗体TM7-3、TM3-8を用いたヒト癌組織における免疫組織学的な検討をさらに症例を加え検討した。その結果、正常ヒト組織において、胎児、成人臓器ともに、腎尿細管の一部、〓管上皮と反応し、他臓器組織とは反応しなかった。腫瘍組織では子宮頸部扁平上皮癌と反応せず、子宮体部腺癌、卵巣癌と反応した。子宮体部癌では、癌組織の分化度に関連して、高分化なものに抗原が認められる傾向を示した。卵巣癌においては非ムチン性上皮性腺癌に反応した。TM7-3、TM3-8の両抗体間に反応パターンの差は認められなかった。次に、妊娠各期におけるTM7-3、3-8、5-1の発現パターンを検討し現在、解析中である。 3.癌組織への集積性と人体への応用に関して。我々の作製したTM3-8、TM7-3抗体は、ヌードマウスに移植されたヒト絨毛癌を特異的に抽出することが示された。しかし^<131>I又は^<125>Iのuncouplingによる甲状腺への取り込み、血液か豊富な臓器および排泄経路である膀胱等に強い非特異的局在像が観察され今後、非特異的集積像の減少のためのsubtraction法等の改良が必要である。
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