研究課題/領域番号 |
62570744
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武谷 雄二 東京大学, 医学部(病)・産婦人科, 助教授 (10114539)
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研究分担者 |
松岡 良 日立総合病院, 産婦人科, 医員 (80165787)
林 直樹 東京大学, 医学部(病)・産婦人科, 助手 (60211489)
久具 宏司 東京大学, 医学部(病)・産婦人科, 助手 (20177976)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | プロラクチン / ゴナドトロピン放出ホルモン / ゴナトドロピン / 視床下部 / 下垂体 / 子宮内膜症 / 黄体機能 / 不妊 |
研究概要 |
(1)ラットにプロラクチンを投与しプロラクチン過剰な状態にした場合に視床下部からのGnRH放出が低下し、血中GnRH値も低下することが明らかとなった。その結果血中のLHやFSHレベルも低下したが、下垂体のLH含量は逆に増加した。また、下垂体のGnRHに対する反応性は変化がみられなかった。従って高プロラクチン血症ではまず視床下部からのGnRH分泌が障害され、二次的に下垂体からのゴナドトロピン分泌が低下することが示された。 (2)下垂細胞培養系にプロラクチンを添加するとプロラクチンは用量反応的にLHとFSHの放出を促進した。また、この効果はGnRHやエストラジオ-ルにより増強された。プロラクチンは細胞内LH含量をも増加させたことからゴナドトロピンの産生量を高めることが推定された。このことからプロラクチンは下垂体においてはparacrine機序でゴナドトロピン分泌を高めていることが示唆された。しかし、プロラクチンが過剰な状態では下垂体レベルでのpositiveな作用よりもGnRH分泌の低下の影響力が大きく結果的にはゴナドトロピン分泌が低下するものと推察される (3)臨床的にLHとプロラクチンの分泌が同期することがあるが、GnRHを投与するとプロラクチン値の変化も約40%にみられた。GnRHによるプロラクチン値の変化様式はプロラクチンの基礎と関連している傾向を認めた。この結果、ゴナドトロピン分泌系は逆にプロラクチン分泌を修飾することが示された。 (4)子宮内膜症の不妊機序の1つに黄体機能不全があることを明らかにした。しかしながら子宮内膜症の黄体機能とプロラクチン値との関連は認めず、プロラクチンの関与は否定的であると結論された。
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