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1987 年度 実績報告書

妊娠産褥期における下垂体プロラクチン遺伝子の発現とその調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 62570750
研究機関名古屋大学

研究代表者

菅沼 信彦  名古屋大学, 医学部, 助手 (30179113)

研究分担者 妹尾 久雄  名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
キーワードラット / PRL / 妊娠 / poly(ADP-ribose)合成 / エストラジオーレ
研究概要

古くからラットにエストロゲン(E)を投与すると, 下垂体プロラクチン(PRL)合成が増加することが知られ, 我々はこの増加がPRLmRNAの増加によること及びPRLmRNAのEによる増加がpoly(ADP-riboje)合成の増加を介して誘導されることを明らかにしてきた. 一方, 妊娠・産褥期のラット下垂体においてもPRL合成が増加することが知られているが, その調節機序は必ずしも明らかでない, 本研究は, この解明を目的とした.
妊娠・産褥の種々の時期における血中E:PRL:下垂体PRLをラジオイムノアッセイにより測定すると共に, 下垂体中PRLmRVAをcytoplasmic dot hybridization法により, poly(ADP-ribose)合成を^4C-NADの核内蛋白への取り込みを指標として測定した. また, PRL遺伝子発現に及ぼすpoly(ADP-ribose)合成の関与を検討する目的で, この合成阻害剤であるnicotinamideを投与する実験も行った.
ラット血中のEは妊娠初期(妊娠4-8日)に増加し, この時期に一致してPRLmRNAの増加が見られた. この時期にnicotinamideを投与すると, 血中Eの増加は対照群と同様に観察されたが, 下垂体poly(ADP-ribose)合成及び, PRLmRNAの増加は認められなくなり, 妊娠初期のPRL合成の増加QEによる:poly(ADP-ribose)合成の誘導によりPRL遺伝子の転写が増加したためと考えられた. 妊娠中期から後期にかけて下垂体中PRLmRNAは妊娠前のレベルまで低下した. その後は分娩6日目よりPRLmRNAは上昇を示し12日まで負値を維持した. この時期にはE濃度の上昇はみられなかった. 分娩後6-12日のPRLmRNAの上昇は乳子による吸乳刺激を除去するとみられなくなった. 以上妊娠初期のPRL遺伝子発現はEによる調節を受け, 分娩後は吸乳刺激による中枢性の調節を受けていると考えられた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 菅沼信彦: ホルモンと臨床. (1988)

  • [文献書誌] 小栗久典, 菅沼信彦, 山本直人, 松井信夫: 環境医学研究所年報. 38. 169-171 (1987)

  • [文献書誌] 菅沼信彦, 小栗久典, 吉川史隆, 妹尾久雄, 神田和美, 山本直人, 松井剛, 松井信夫: 環境医学研究所年報. 38. 165-168 (1987)

  • [文献書誌] 小栗久典, 菅沼信彦, 吉川史隆, 石原豊, 井上孝実, 山本直人, 妹尾久雄, 松井信夫: 環境医学研究所年報. 39. (1988)

  • [文献書誌] Nobuhiko Suganuma: "「Role of prolactin in human Reproduction」" 医薬広告社, (1988)

  • [文献書誌] Hisanori Oguri;Nobuhiko Suganuma;Naohito Yamamoto;Osamu Moritu;Yataia Tomolu;Nobuo Matsui;Hisao Seo: "Kyoto Prolactin conference monograph volume 3 「sex-ralated differences of 〓genesis of rat prilactin synthesis and seciction」" (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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