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1987 年度 実績報告書

実験的胎児仮死における液性昇圧機構の循環調節にはたす役割について

研究課題

研究課題/領域番号 62570760
研究機関愛媛大学

研究代表者

松浦 俊平  愛媛大学, 医学部, 教授 (80026864)

研究分担者 池谷 東彦  愛媛大学, 医学部, 講師 (10108376)
キーワード胎兒仮死 / 胎兒循環動態 / アンジオテンシン / バソプレシン / 血漿レニン活性
研究概要

超音波ドップラー血流計を用いた胎兒大動脈, 臍帯静脈および腦底動脈の血流計測により, 胎兒仮死時には低酸素症の進行に伴って大動脈血流の減少と後二者血流の増加が生じ, 代償性循環動態変化と血行再配分が観察された. 代償性循環調節機序としては, レニン・アンジオテンシン系およびバゾプレシン分泌機構の関与が示唆されている. よって実験的胎兒仮死時の状態の検討に先立ち, 胎仔に液性循環調節物質を投与した際の胎仔循環動態について検討をした. 妊娠末期ヒツジ(妊娠110〜130日)を用い, 胎仔の股動・静脈に慢性的にカテーテルを装着した. 手術侵襲より回復後, 各種量のアンジオテンシンII(AII)またはバゾプレシン(VP)を胎仔股静脈を経て投与し, 胎兒循環系統の反応について検討した. AII投与ではVP投与に比しPCO_2の減少, PO_2の増加が大であるがpHには変化を示さなかった. 胎仔平均動脈圧はVP10mU/min投与時には平均40.4mmHg(以下平均)から51.2mmHgと26.7%の増加を, またAII500ng/min投与時は43.7mmHgから55.7mmHgへ27.5%の増加を示し, 両者を同時投与した時には42.3mmHgから71.7mmHgへ69.7%の著しい増加を示した. 胎仔心拍数はVPの上記量投与によって178bpmから104bpmと41.6%の減少を示したが, AII投与時には172bpmから188bpmと9.7%の増加を認めた. また両者を同時に投与した際は182bpmから130bpmと28.5%の減少を示した. AII投与時の胎仔血漿レニン活性(PRA)は減少を示し, VP投与時においても相似たPRA減少がみられた. 以上の様に外因性AIIならびにVPに対し胎仔循環系では平均動脈圧, 心拍数の明らかな反応を示し, 両物質は血圧に対しては相乗的に, 心拍数に対しては相補的に作用し, AIIの心臓神経促進的な中枢作用が考えられた. 現在胎仔実験的仮死時における上述の種々の反応について検討中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Iketani, H;Matsuura, S: The 3rd International Symposium, The FETUS AS A Patient.128-128 (1987)

  • [文献書誌] 越智博, 松浦俊平: 日本産科婦人科学会中国四国合同地方部会雑誌. 36. 239-244 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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