研究課題/領域番号 |
62570769
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
島本 郁子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90075094)
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研究分担者 |
飯岡 秀晃 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10183154)
斎藤 滋 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30175351)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 胎児発育 / 小腸吸収能 / 腎再吸収 / 胎盤輸送 / HbFスィッチング / 胎児免疫能 |
研究概要 |
母体疾患・子宮胎盤機能不全・PROMなど、いわゆる劣化子宮内環境にあっては胎外生活への早期転換が余儀なく強いられる。この場合、胎児発育諸相を理解した胎児(新生児)管理と出生周辺における胎外適応能の人為的急速促進が極めて重要な鍵となる。 胎児・新生児未熟性などの病態は多様であり、診断・治療を創案するためには単純化した指標を作成して解析する必要がある。臓器生体膜機能の発達過程は成熟の本質的指標となる。我々が試みた人胎盤、胎児〜新生児小腸、腎の刷子縁微繊毛膜(brush border)による解析から多彩な発育過程を明らかにし得た。 以下、胎児の発育・成熟と胎外適応能について、腸管・腎臓・肝臓・栄養代謝・血液因子・免疫系・steroid profileの順で検討した。 1)小腸の機能は24週より発達し、32週以降は、満期産レベルに達する。 2)腎臓の機能は30週より発達し、36週以降は、満期産レベルに達する。 3)肝臓の発育は、胎児期にあり、機能成熟は生後にある。 4)タウリンは、胎児・新生児期に特異的輸送様式・生理意義を示す。 5)血液凝固機能は満期産児でも未熟で、成熟に数月、年を要する。 6)HbFからHbAのSwitchingは早産児で3週間遅延するが、23DPGにより適応を得る。 7)免疫系は満期産まで未熟であるが、非特異的免疫は早期に完成し、かつ胎児特有の免疫様態を示す。 8)妊娠維持機構と胎児発育・成熟の制御は胎児steroidにより密接る連係される。
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