研究課題/領域番号 |
62570795
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北沢 克明 岐阜大学, 医学部, 教授 (20009484)
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研究分担者 |
松原 恵子 岐阜大学, 医学部, 助手 (10199838)
杉山 和久 岐阜大学, 医学部, 助手 (80179168)
河合 憲司 岐阜大学, 医学部付属病院, 助手 (00169666)
富田 剛司 岐阜大学, 医学部付属病院, 講師 (30172191)
船橋 正員 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30112709)
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キーワード | 実験緑内障 / 緑内障性視神経障害 / 画像解析 / 低眼圧緑内障 / 濾過手術 |
研究概要 |
サル眼に実験緑内障を作製し、緑内障性視経障害の上で血液循環障害の重要性が示唆されたことから、血液循環障害の関与が大きいとされている低眼圧緑内障の患者25人に、血液循環改善剤であるカルシウム拮抗剤を投与し、症状の改善の有無に関し経過観察したとともに、実験緑内障眼、および人緑内障眼に対し眼圧下降手術を施行し視神経障害の改善が期待されるか否かを、視神経乳頭画像解析にて検討し次のような結果を得た。 1.低眼圧緑内障患者25人50眼にカルシウム拮抗剤を投与しところ6人12眼で持続的な視野障害の改善がみられた。年齢が若く、初期視野の平均感度が高く、眼圧が低く、かつ薬剤投与により拡張期血圧の下降がなく、皮膚温度テストの回復速度の速い患者ほどより改善する傾向がみとめられた。 2.眼圧下降手術前後で視神経乳頭の画像解析を行ったところ、緑内障性乳頭陥凹の体積、C/D比の減少と乳頭辺緑面積の増加が85%の症例で観察された。改善の程度は、眼圧の減少の程度が大きいほど、また年齢が若いほど著明であった。視野は、鼻側乳頭に相当する部分の視野に鼻側乳頭陥凹の改善に相関した改善がみとめられたがい、その他の部位に改善はなく、乳頭陥凹の変化は後方に轡曲していた強膜篩状板が眼圧の下降とともに前ほう偏位したためで、かならずしも機能的な改善は期待できないと考えられた。以上の結果より、緑内障性乳頭障害の成立には血管因子、眼圧因子ともに重要であると考えられ、今後実験的に乳頭部の血管撃縮状態を作製しそれによる乳頭障害をおこさせた上で、眼圧あるいは治療薬に対する反応を検討していく予定である。
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