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1987 年度 実績報告書

網膜剥離の臨床に関する網膜接着力の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570800
研究機関広島大学

研究代表者

調枝 寛治  広島大学, 医学部, 教授 (50033965)

研究分担者 中野 賢輔  広島大学, 医学部付属病院, 助手 (30164247)
キーワード渦静脈 / 網膜色素上皮細胞 / 接着力 / 局限生網膜剥離 / 網膜下液 / Hanks液 / 脈結膜循環障害
研究概要

1.健常成熟白色家兎を用いて, 手術用顕微鏡で両眼の渦静脈を露出し, 左眼のみ渦静脈を2本6-0絹糸で結紮して人工的に脈絡膜循環障害を起させた. 右眼は結紮せずに対照眼とした. 渦静脈を結紮して24時間後, 1, 2, 4週間後の各群に対して, Marmorらの方法に準じて左眼は結紮渦静脈領域の神経網膜下へ, 右眼は乳頭周囲以外の神経網膜下へHanks液を空気圧で注入し, 直径が乳頭の長径大の限局性網膜剥離を作成し, 剥離の消失時間を測定した. 左眼の渦静脈結紮から24時間後の群は, 網膜下液の平均吸収時間は右眼が215分, 左眼が339分と結紮眼は非結紮眼よりも有意に延長していた. 1時間後の群でも, 平均吸収時間は右眼が218分, 左眼が273分で, 結紮眼が非結紮眼よりも有意に延長していた. 2週間後の群では, 平均吸収時間は右眼が230分, 左眼が240分であったが有意差はなかった. 4週間後の群でも, 平均吸収時間は右眼が233分, 左眼が245分と有意差はなかった.
以上のことから, 渦静脈を2本結紮すると, 少くとも1週後までは網膜色素上皮細胞層の網膜下液吸収能が明らかに低下しており, 脈絡膜循環障害が神経網膜と網膜色素上皮細胞間の接着力に影響を及ぼすことを明らかにした. 2.1の実験と同様に渦静脈を結紮した家兎眼球を経時的に摘出し, 渦静脈結紮領域の神経網膜-網膜色素上皮細胞層を光学顕微鏡と電子顕微鏡(透過型・走査型)で超微構造を観察し, 神経網膜-網膜色素上皮細胞層の形態学的変化と網膜の接着力との相関については, 現在検討中である.
3. さらに, 渦静脈結紮によって網膜下液吸収能が低下した家兎眼を使用して, 各種薬剤が網膜下液吸収能に及ぼす影響を検討する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 加登本拡: 日本眼科学会雑誌. 92. (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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