研究課題/領域番号 |
62570804
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
藤原 久子 川崎医科大学, 眼科, 助教授 (30033278)
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研究分担者 |
片山 寿夫 川崎医科大学, 眼科, 助手 (10185811)
江木 邦晃 川崎医科大学, 眼科, 講師
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キーワード | 眼炎症 / プロスタグランジンE_2 / PAF / 神経ペプタイド |
研究概要 |
プロスタグランジン(PG)は眼炎症に深く関わりを持っているが、PGと他のメディエーターとの関係を知ることは炎症の発生や進展機構を知る上で重要である。今年度は家兎の虹彩においてもっとも多く合成されるPGE_2を用いて、虹彩からのPGE_2遊離に対する種々の薬剤の効果について検討した。 家兎虹彩を実体顕微鏡下で括約筋部と散大筋部に分け、Tyrode-Hepes液にincubateした。medium中に種々の薬剤を入れ、遊離されるPGE_2をRIAにて測定した。 サブスタンスP(SP)は、濃度依存的に家兎虹彩からのPGE_2の遊離を促進した。Vaso intestinal polypeptide(VIP)はPGE_2遊離を抑制した。Neurotensinは殆ど影響を与えなかった、Somatostatinは軽度に促進した。PAFはPGE_2の遊離を促進した。 以上の如く、SPやPAFはPGE_2の遊離に対し促進的に作用しVIPはむしろ抑制的に作用することが判明した。SPはそれ自体、三叉神経を介しておこる眼炎症に対し、メディエーターとして作用する。またPAFはエンドトキシン眼内炎の際には房水や虹彩中に増加することが認められており、眼炎症の進展にかかわっていると考えられる。眼炎症の複雑な機構を明らかにするにはPGや神経ペプタイド、PAFなどの他のメディエーターとの関係が明らかにされる必要がある。
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