1.半導体レ-ザ-光が生体活性材料の骨伝導能に及ぼす影響に関する実験的検討 ビ-グル犬の顎骨ならびに大腿骨に人工的に骨欠損部をつくり、ここに生体活性材料であるhydroxylapatite顆粒ならびにbioglss粉末を充填した。次いで、実験群では充填部にGaAsレ-ザ-光(10min./day)を照射し、充填後7、14、21、28日目に屠殺し、骨の新生状況を組織学的に観察した。対照群はレ-ザ-光を照射せず、実験群と同期間経過後に屠殺し、同様に観察した。その結果、hydroxylapatiteを充填した照射群では非照射群と比較して、肉芽組織の形成、線維芽細胞の出現と骨基質の形成、類骨組織の形成といった初期修復は量的ならびに質的に早期に進行する傾向がうかがえた。また、bioglss群でも同様の傾向を示した。以上の結果、骨欠損部を生体活性材料で修復した際に、併せて、半導体レ-ザ-光の照射を行なうことの有用性が考えられた。また、その際には、肉芽組織からの未分化間葉細胞の誘導と分化を促進するものと思われた。 2.半導体レ-ザ-光の軟組織損傷の治癒に及ぼす影響に関する組織化学的ならびに超微構造的検討 ラット口蓋粘膜に外科的に潰瘍をつくり、半導体レ-ザ-光照射後の上皮細胞ならびに間葉系細胞細胞の動態を検討した。その結果、肉芽組織の線維化ならびに上皮の再生はレ-ザ-光照射でやや促進された。この場合、線維芽細胞のコラ-ゲン分泌能が亢進するとともに、上皮細胞の代謝回転がより早くなったことを示唆する所見が得られ、詳細を追試中である。なお、上皮内細胞にはきわだった差異は認められなかった。 3.半導体レ-ザ-光が各種細胞に及ぼす影響に関するin vitroでの検討 上皮系並びに間葉系の各種培養細胞を用いて検討中である。
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