• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

歯周ポケット上皮の生物学的特性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570814
研究機関東京歯科大学

研究代表者

下野 正基  東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00085771)

キーワード歯周ポケット上皮 / 実験的歯周炎 / 酵素抗体法 / 電子顕微鏡 / 半接着斑 / 透過性関門機構
研究概要

研究方法:スプラグードゥリー系雄ラットの左側上顎第1および第2臼歯の歯間に矯正用ゴムを挿入することによって, 歯周炎を惹起させ, 1週間後にゴムを除去し, ポケット上皮の形態的および機能的特徴について, 光学顕微鏡, 酵素抗体法ならびに電子顕微鏡を用いて, 経時的に検索した.
研究成績:1.実験的歯周炎の程度を, 高庶糖飼料と普通固形飼料で飼育した動物を比較すると, 前者では歯周炎の程度と範囲が後者より顕著であり, また炎症が長期間(約9週間)にわたって持続していた. 2.酵素抗体法による観察では, (1)ポリクロナール・ケラチンに対しては, ポケット上皮も付着上皮と同様に陽性反応を示した. (2)モノクロナール・ケラチンに対しては口腔上皮と歯内溝上皮の棘細胞および顆粒細胞のみが陽性を示し, 正常付着上皮もポケット上皮も陰性であった. (3)ラミニンに対しては, 対照群では内側および外側基底板そして血管周囲に一致して陽性反応がみられた. 実験群ではポケット上皮の表層に陽性反応はみられなかったが, 長い付着上皮様の細胞ではセメント質側に不連続ながら陽性反応がみとめられた. 3.電子顕微鏡による観察では, ポケット上皮細胞は核の細胞質に占める割合が大で小器官の発達は一般に悪く, いわゆる未分化な細胞の特徴を備えていた. しかし, 細胞質内には中間大フィラメントが比較的良く発達しており, 角化上皮への分化傾向がうかがわれた. これらの細胞は細胞間隙が著しく拡大しており, 透過性関門機構が存在する可能性はほとんどないと考えられた. また長い付着上皮様細胞は断続的に歯根セメント質表面と半接着斑によって結合していたが, 細胞同志の接着斑はその数が少なく, 結合は弱いことが示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 下野 正基: 歯界展望. 68. 799-818 (1987)

  • [文献書誌] Masaki SHIMONO: Advances in Dental Research.

  • [文献書誌] Masaki SHIMONO: Journal of Periodontal Research.

  • [文献書誌] 下野 正基: "治癒の病理.1編2章 歯周組織の構造と機能" 医歯薬出版, 342 (1988)

  • [文献書誌] 下野 正基: "治癒の病理.1編5章歯周組織の再生" 医歯薬出版, 342 (1988)

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi