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1987 年度 実績報告書

実験的形成障害歯牙の基質の変化と石灰化に関する電顕的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570816
研究機関東京歯科大学

研究代表者

見明 康雄  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00157421)

キーワードビンブラスチン / フッ化ナトリウム / 象牙質形成障害 / 琺瑯質形成障害 / 異常コラーゲン / 基礎質
研究概要

1.象牙質形成障害について
(1)Vinblastine投与では, 投与24時間以後Young odontoblastによって形成される予防象牙質, および象牙質の部分に長さ約320nm幅200nm前後の分節状コラーゲンの形成が認められ, 経時的に象牙質に埋入されていく. しかしこの異常コラーゲンは, Pne-odontoblastおよびOld odontoblastの部分ではみられなかった. またYoung odontoblastの部分の象牙質形成量および石灰化度は薬物投与前後であまり差が認められなかったが, それ以外の部分ではきわめて構造不規則で石灰化度の低い象牙質が形成されていた.
(2)NaF投与では, 投与1時間以後Young odontoblastの部分で, 前記の分節状コラーゲンと約180nmの周期構造を持つ長周期コラーゲン, および多量の無定形物質が認められた. しかしPre-odontoblastの部分ではこれらの異常コラーゲンはまったくみられなかった. またこの無定形物質はルテニウムレッド陽性であり, Pre-odontoblastの部分でも多く認められた. さらにNaF投与後に形成された象牙質の石灰化度は, 異常コラーゲンを埋入する以前よりきわめて低くなっているが, 構造的に大きな異常はなかった.
2.琺瑯質形成障害について (1)Vinblastine投与では, 投与24時間以後形成期琺瑯質に形成障害線が形成され, それ以後に形成される結晶は正常のものと比べ細く, 石灰化度も低い. また成熟期琺瑯質では, 投与5日後で琺瑯質表面が不規則となり, そこに多量の有機性基質と中電子密度物質および細胞片の埋入が観察された.
(2)NaF投与では, 投与24時間以後琺瑯小柱の構造が不明瞭で, 結晶も正常のものより細い異常な琺瑯質が形成される. しかし成熟期琺瑯質での変化は, いまのところあまり明瞭ではない.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Takuma: J.Electron Microsc.36. 377-386 (1987)

  • [文献書誌] 澤田 隆: 歯科学報. (1988)

  • [文献書誌] 澤田 隆 須賀昭一 編: "エナメル質, その形成, 構造, 組成と進化 第5章 エナメル質の形成異常" クインテッセンス出版株式会社, 12 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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