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1988 年度 実績報告書

実験的形成障害歯牙の基質の変化と石灰化に関する電顕的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570816
研究機関東京歯科大学

研究代表者

見明 康雄  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00157421)

キーワード微細構造 / フッ化ナトリウム / 象牙質形成障害 / 異常コラーゲン / 酸性ムコ多糖体
研究概要

本年度はフッ化ナトリウム(NaF)投与による象牙芽細胞および象牙質の変化を主として検索した。
1.象牙芽細胞の変化
NaF投与初期から粗面小胞体の膨化や空胞の形成が見られ、その後、自食胞やゴルジ空胞の増加、細胞突起部に分必顆粒の異常集積などが見られる。これらの変化は投与12時間後にもっとも大となるが、投与24時間後にはほとんど正常に復している。また細胞極性の異常や、細胞壊死像など大きな異常は見られない。
2.象牙質の変化
細胞遠心端に接する予成象牙質には、投与初期より多量の無定形物質が出現し、そこにはルテニウムレッド陽性物質(酸性ムコ多糖体)が多量に含まれている。また正規のコラーゲン線維はほとんど見られず、長さ約320nmで左右対称性の多数のバンド構造を持っ分節状コラーゲンが見られるようになる。この分節状コラーゲンは経時的に増加し、投与6時間後には約160nmの周期構造を持っ長周期コラーゲン線維も出現する。これら異常コラーゲンの分子相互の配列は、正規のコラーゲン線維と異なり、互いに逆向きに重なったコラーゲン分子が、その末端を揃えて配列し横に広がったもの、あるいは、同様に逆向きに重なったコラーゲン分子が約1/2ずれて配列し、縦に長くつながったものと思われる。これらの異常コラーゲンは、石灰化前線に達すると結晶の沈着を受け石灰化する。象牙質中で石灰化した異常コラーゲンを脱灰切片で観察すると、細い線維状の構造が見られ、コラーゲン分子の結合が弛緩しているように見える。また象牙質には高石灰化層と低石灰化層が見られ、高石灰化層では結晶密度の増加が加られたが、低石灰化層では結晶密度は小さく、酸性ムコ多糖体の分布異常が一部で見られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 荒木覚: 歯科学報. 89. 49-91 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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