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1987 年度 実績報告書

口腔病変の発症進展に果たすTリンパ球の機能的役割に関する実験病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570818
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

渡辺 是久  神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (50084786)

研究分担者 佐藤 一芳  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50101209)
キーワードMRL / 1マウス / 自己免疫モデルマウス / 免疫複合体 / ヘルパーTリンパ球 / 自己抗体 / 免疫組織化学 / モノクローナル抗体
研究概要

MRL/Mp-lpr/lpr(MRL/1)マウスは全身のリンパ節腫脹(T細胞増殖)をきたすlymphoproliferative(lpr)geneをもち, 種々の自己抗体産生の結果生ずる免疫複合体の沈着によってループス腎炎を早期に発症する自己免疫疾患自然発症系マウスである. 62年度の研究ではMRL/1マウスに自然発症する臓器病変を加齢的に病理組織学的並びに免疫組織化学的に検索した. 特に, 顎下腺, 舌下腺, 舌, 口唇粘膜, 顎下リンパ節等の口腔領域に発症する病変と全身の臓器病変との相関を検索し, MRL/1マウスの持つ免疫異常と口腔病変発現機序との関連を検討した. 顎下リンパ節の腫脹が発現する生後8週頃から顎下腺実質内にリンパ球浸潤巣が出現し加齢的に増加拡大する. この初期浸潤巣内に増殖するリンパ球のほとんどがLyt1及びL3T4陽性のTH cell(モノクロナール抗体による酵素抗体ABC法)であった. その後, IgG陽性形質細胞が増加し, やや遅れてIgM陽性形質細胞が出現することが蛍光抗体法で証明された. 16週を経過するとこの炎症細胞浸潤巣内に肉芽腫性血管炎が発現する. これらの血管壁にはIgGやC_3 fragmentが証明された. 一方, 16週齢以後舌に発現する肉芽腫性血管炎は, 比較的大いに動脈に多く, 顎下腺で認められたようなリンパ球浸潤を主体とした炎症巣の形成は認められず, 内膜から外膜にかけて著しいマクロファージの増殖を特徴とするものであった. これらの口腔病変と相関して血清抗核抗体或いは可溶性核抗原が蛍光抗体間接法やOuchterlony ossayで検出された. また, 免疫複合体腎炎の出現も確認された. 以上の結果は口腔病変をはじめとした全身諸臓器に発現するMRL/1マウスの組織障害がlpr遺伝子によるヘルパーTリンパ球の増殖に起因する免疫複合体病であり, 顎下腺や舌に発現する肉芽腫性血管炎においても全身的な自己抗体の産生と相俟って生ずる免疫複合体の沈着とマクロファージ機能が関与することが明らかとなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshihisa Watanabe: Reprinted from JAPANESE JOURNAL OF ORAL BIOLOGY. 29-6. 770-773 (1987)

  • [文献書誌] Yoshihisa Watanabe: MICROCIRCULATION An update Proceedings of Fourth World Congress for. Microcirculation, Tokyo, Japan, July 26-30. 2. 141-142 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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