研究課題/領域番号 |
62570830
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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研究分担者 |
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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キーワード | Chondrocytes / Parathyroid hormone / Ornithin decaroboxylase / Cyclic AMP / Pulsed electromagnetic field / Pulsed electric field |
研究概要 |
骨や軟骨細胞の増殖と分化は、各種ホルモンや成長因子などの化学的要因のほかに電磁場などの物理的要因によっても調節されている。電気的刺激により骨、軟骨組織の成長や修復が促進される事が示唆されている。しかしその作用機序は未だ不明であり特に細胞レベルでの変化は明らかではない。そこで我々はウサギ肋軟骨より分離した初代成長軟骨培養細胞を振動磁場で刺激した後、副甲状腺ホルモンを添加するとcAMPレベルの上昇、オルニチン脱炭酸酵素の誘導能、及びグリコサミノグリカン合成がいずれも有意に亢進することを見出した。すなわち振動磁場刺激が軟骨培養細胞のPTHに対する感受性を亢進する結果として軟骨培養細胞の分化機能が促進することが示唆された。さらに平均2ガウスの振動磁場で刺激後、CDF、FGF、IGF、やTPR等の添加で分化機能の亢進は認められなかった。これらの因子では増殖能に対する有意差は認められなかった。そこで、電場刺激に対する増殖能を検討するために、腎臟由来のNRK細胞を用いて、S期のNRK細胞に、0.3%FCS添加でパルス電場刺激を行うと未刺激群に対して約30%の取り込みの亢進が認められた。しかし、より高いFCS濃度では、増殖速度は上昇するものの電場による刺激効果の有意差は認められなかった。EGF存在下では濃度比例的に増殖速度が上昇するが電場刺激の効果、やや抑制的に作用した。以上の結果、NRK細胞が高い合成能力を発揮し得る状態では、増殖因子の作用が強く現れ電気刺激の効果が発現し難しいものと思われる。成熟軟骨細胞から肥大軟骨細胞へ再現性良く石灰化が誘導出来る遠心管内培養法を用い強磁場刺激下において、肥大化に伴い増加するアルカリホスファターゼ活性にやや上昇傾向が見られるが、刺激条件により変動し未だ明らかでない。さらに1a、25(OH)_2D_3、細胞内カルシウムを指標として物理的刺激に対する影響をも検討している。
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