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1988 年度 実績報告書

細胞外ATPによるCa^<++>、イノシトールりん酸代謝とEGF受容体の機能変化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570840
研究機関城西歯科大学

研究代表者

細井 和雄  明海大学, 歯学部, 助教授 (10049413)

研究分担者 杉田 憲司  明海大学, 歯学部, 助手 (90171157)
栗原 琴二  明海大学, 歯学部, 助手 (10170086)
キーワード細胞外ATP / プリン受容体 / 細胞内Ca^<2+> / Ca^<2+>輸送 / ホスファチジールイノシトール燐酸代謝 / EGF受容体 / 燐酸化
研究概要

細胞外ATPによる刺激がA431細胞におけるEGF受容体のSer,Thr残基の燐酸化を促進し、その結果受容体の高親和性部位へのEGF結合は減少する(Hosoi and Edidin:PNAS to submit)。そこで、本研究はA431細胞におけるATPの受容体を証明し、その作用の詳細を明らかにしようとするものである。本年度の成果は以下のとおりである。1.〔αー^<32>P〕AMPPNPの細胞への結合を観察する事に成功した。結合のキネティックスから、リガンドに対するKdは10^<-6>Mであり、これはATPの細胞内カルシウム上昇作用における有効濃度とよく一致した。2.細胞外にATPをはじめ各種ヌクレオチド(20種)、ATPアナログ(6種)を添加し細胞内遊離カルシウムイオンの上昇を調べた結果、ATP、GTP、UTP、ADP、UDPおよびATPγーS、AMPPNPなどが有効であった。3.細胞内カルシウム上昇とイノシトール三燐酸(IP_3)生成のタイムコースは互いによく一致し、ATP刺激後約30秒でピークを与えた。したがって、ATPおよび関連ヌクレオチドは膜受容体を刺激後、ホスホリパーゼCまたはそれに強くリンクした系を活性化する事によってIP_3を生成したものと考えられた。4.上述のヌクレオチド燐酸類およびそれらのアナログを用いて^<45>Ca^<2+>の細胞への取り込みを詳細に観察するとこの活性と細胞内Ca^<2+>の上昇との間に並行関係が認められた。したがって^<45>Ca^<2+>の細胞への移動はプリン受容体刺激とその結果上昇する細胞内カルシウムによって促進されると考えられる。5.本細胞はecto-ATPase活性を有するが、基質として与えた5種のヌクレオチド三燐酸および一燐酸を水解するがヌクレオチド二燐酸を水解しないという基質特異性を有し、プリン受容体刺激による細胞内カルシウム上昇のヌクレオチド特異性と異なるので両機能に関与する蛋白質は互いに異なる分子であると考えられた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Murai,T.;Kurihara,K.;Sugita,K.;Hosoi,K.;Ueha,T.: The Japanese Jouranl of physiology. 37. 871-879 (1987)

  • [文献書誌] Hosoi,K.;Kittur,D.S.;Edidin,M.: FEBS letters. 231. 371-377 (1988)

  • [文献書誌] Hosoi,K.;Shioda,Y.;Kodama,A.;Sugita,K.;Kurihara,K.;Murai,T.;Nemoto,A.;Atsumi,T.;Ueha,T.: The Japanese Journal of physiology. 39. (1989)

  • [文献書誌] 細井和雄,藤下まり子: 医学のあゆみ. (1989)

  • [文献書誌] Hosoi,K.;Edidin,M.: The Proceedings of The National Academy of Sciences,U.S.A.(1989)

  • [文献書誌] Hosoi,K.;Sugita,K.;Ueha,T.;Edidin,M.: Journal of The Physiological Society of Japan. 49. 334 (1987)

  • [文献書誌] 杉田憲司,細井和雄,上羽隆夫: 歯科基礎医学会雑誌. 29. 225 (1987)

  • [文献書誌] 細井和雄,小玉昭子,上羽隆夫: 歯科基礎医学会雑誌. 29. 225 (1987)

  • [文献書誌] Hosoi,K.;Sugita,K.;Kodama,A.;Kurihara,K.;Murai,T.;Atsumi,T.;Ueha,T.;Edidin,M.: Journal of Dental Research. 67. 163 (1988)

  • [文献書誌] 細井和雄,中西信夫,上羽隆夫: "動物成分利用集成(陸産動物 篇)" R&Dプランニング, 462-489 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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