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1988 年度 実績報告書

神経成長因子による褐色細胞腫PC12細胞のビオプテリン量の増加とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 62570841
研究機関城西歯科大学

研究代表者

中西 信夫  明海大学, 歯学部, 講師 (20118574)

キーワード神経成長因子 / 褐色細胞腫細胞PC12 / 神経細胞の分化 / テトラヒドロビオプテリンの誘導 / プロテインキナーゼ / K252a / 細胞内Caイオン / 細胞外ATP
研究概要

1.前年度の研究の結果、褐色細胞腫細胞PC12のサブクローンの1つであるPC12h細胞において、神経成長因子(NGF)は細胞中のテトラヒドロビオプテリン(BPH4)量を一過的に上昇させることが発見された。本年度はこのNGFのBPH4増加の作用機構を研究するためにプロテインキナーゼの阻害剤(Hー7、Hー8、K252a)やRNA合成阻害剤(アクチノマイシンD)の効果、および細胞内Caイオンの変動が関与しているかどうかについて検討した。(1)Hー7、Hー8(各80μM)は、NGFによるBPH4増加を阻止できなかった。またこれらの阻害剤はNGFによる神経突起形成をも阻止しなかった。この結果は、環状ヌクレオチド依存性プロテインキナーゼ、プロテインキナーゼCは関与していないことを示唆している。(2)K252aはNGFによる神経突起形成、BPH4増加をともに阻害した。この結果が、NGFによるBPH4増加をためにK252aに特異的感受性をもつプロテインキナーゼの関与を示しているのか、あるいはK252aはプロテインキナーゼ阻害剤としての作用以外の作用によって阻害効果を示しているのか、についてはまだ明らかではない。(3)アクチノマイシンDはNGFによるBPH4増加を阻止するがBPH4を基礎量以下に減少させる効果はなかった。また対照の細胞のBPH4量に対しても影響を与えなかった。これは、RNA(おそらくBPH4生合成系の酵素のためのmRNAと推測される)の合成がBPH4増加誘導のために必要であることを示している。(4)Caイオンの関与については明確な結果がまだ得られておらず引き続き検討中である。
2.NGFによるBPH4増加の生理的意義を明らかにするためには培養液中の血清が障害になると考えられる結果が得られたので、無血清培地を用いて検討中である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] Kenichi OZAWA: Japan Journal of Oral Biology. 30. 104-111 (1988)

  • [文献書誌] Nobuo NAKANISHI: Biol.Chem.Hoppe-Seyler. 369. 533-533 (1988)

  • [文献書誌] Kei HIRAYAMA: Biol.Chem.Hoppe-Seyler. 369. 533-534 (1988)

  • [文献書誌] Hiroko SUZUKI: Biochem.Biophys.Res.Commun.153. 382-387 (1988)

  • [文献書誌] 松本健一: 明海大学歯学雑誌. 17. 345-352 (1988)

  • [文献書誌] Kaoruko AKIBA-AONO: J.Biol.Chem.

  • [文献書誌] 大谷徹: 明海大学歯学雑誌.

  • [文献書誌] 中川幹也: 明海大学歯学雑誌.

  • [文献書誌] Nobuo NAKANISHI: ""Growth Factors for the Nervous System" in Neuronal and Glial Proteins" Academic Press, 169-207 (1988)

  • [文献書誌] Nobuo NAKANISHI: ""Enzymes of Glycolytic Pathway.Pyruvate kinase,phosphofructokinase,and lactate dehydrogenase"in Dynamic Aspect of Dental Pulp" Ellis Horwood.,

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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