研究概要 |
B.gingivalis381株染色体PNAのλphage vectorL47.1による遺伝子バンクをE.coliに感染し, phage plaqueを形成させた. Coll agenase, Glypro-peptidase post proline peptidase, trypsinの合成基質をニトロアセテート膜に固相化し, phage plaqu上に静置した後, UV照射により, クローンの選択を行った. trypsinおよびGiy-pro-peptidaseクローンと思われる・クローンをいくつか, 分離することに成功した. クローンからphage lysateを調整し, 対照のλ47.1と比較すると, 数倍, 酵素活性が高かった. しかしながら, HPLCのDEAEおよびゲルろ過カラムによる分析では, 両者とも全く, 同じ位置に溶出した. 以上の結果から, proteaseクローンを確定することが出来なかった. そこで, これらproteaseを精製し, 抗血清を作成し, 免疫学的スクリーニングを行うことを計画した. 精製標品をそれぞれ, ウサギに免疫して抗血清を採集した. 遺伝子バンクのphage plaque中の蛋白質をニトロセルロース膜に吸着させ, 一次抗体として, 作成したproteaseに対するウサギ抗血清を反応させた後, 二次抗体として, パーオキシダーゼ標識した抗ウサギIgGヤギ抗血清を反応させ, H2O2-クロロナクトール基質で青染されるクローンを選択した. 約4万クローン中ポジティブな56クローンを得た. 56クローンからphage lysateを作成し, それぞれのprotease合成基質を用いて再スクリーニングを行った. その結果, 対照の〓L47.1のphage lysateに比べて, 有意に高い酵素活性を有するクローン(trpsin6クローン, coll ageuase5クローン)を同定することに成功した. 今後, これらphageクローンからDNAを抽出し, プラスミド・ベクターへのサブクローニングを行い, クローン化proteaseの精製および, Western blot法による免疫学的分析により, proteaseクローンの確定を行い, 分子遺伝学的, 生科学的研究を進める.
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