研究概要 |
(緒言)生理的に常時, 咬合力を受けているヒト歯根膜における代謝調節機構を明らかにするため, ヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)の培養系を用い, 上皮増殖因子(EGF)のタンパク合成に対する作用について調べた. (材料, 方法)ヒト歯根膜線維芽細胞は, 矯正治療時に抜去した第一小臼歯からHPLF Cellを10%fcsを含むDulbecco's Modified Eagle's me-diumu(D-MEM)でlsolateする. Sub-culturedはD-MEM(2% FCS)を1.25×10^5/cm^2にて60mm dishに播種した. アスコルビン酸(50Ug), penicillin(100units), streptomycin(100ug/ml)を加えた. HPLFはコンフレントになる前に種々の濃度のBGFを含むmediumに交換して, さらに1-4日間培養した, タンパク質はBradford法, ハイドロキシプロリン(HYP)は Woesner法, ^3H-Prolineによるコラーゲン合成活性は, 細菌性コラーゲナーゼ法によって行った. (結果)EGF添加後(1-50ng/ml), 4日間培養した際の細胞のHYP量は, Dose-relatedに減少した. EGFはタンパク質をわずかに増加させた. EGFによるプロリンの取り込みの Time Curseからは, EGF Free mediumu中のオコシプロリン量は, 培養日数の1-4日間までに, その取り込み量は増加していた. EGF添加郡では, 培養1日でオキシプロシンの増加がわずかに見られるが, さらに2-4日後において, プロリンの取り込みは十分に阻害していた. 次にHPLF Cellの^3H-Prolineによる, タンパク質とコラーゲン合成はEGF(10-50ng/ml)濃度で細胞のタンパク合成が増加し, Mediumu中にてほんのわずかに上昇していた. また, コラーゲン合成については, CellおよびMediumuともに, Radioactive Collagenの減少が見られた. すなわち, 上記の結果は, Dose Relatedにタンパク質合成された, コラーゲンの割合が減少していると考えられる. 次に^3H-Prolineによるコラーゲン合成のTime curse(6, 12, 24, 48)についてはCellおよびMediumuともに, 培養24時間からEGF処理郡に大きく減少傾向が認められた.
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