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1989 年度 実績報告書

味細胞興奮発生のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 62570848
研究機関朝日大学

研究代表者

外崎 肇一  朝日大学, 歯学部・口腔生理, 講師 (30103485)

キーワード味細胞 / 蔗糖応答 / 食塩応答 / 苦味応答 / C-GMP / C-AMP / IP_3 / 微小電極法
研究概要

本研究者はすでに微小電極法により味細胞の電気生理学的研究によって以下の結果を得ている。1)味細胞は各種味刺激に対して様々な応答を示すが、蔗糖刺激に対しては脱分極応答で膜抵抗の増大もしくは変化を示さない。2)蔗糖刺激に対して脱分極、膜抵抗増大を示す味細胞でも食塩刺激に対しは脱分極、膜抵抗減少を示す。このことは同一味細胞でも蔗糖、食塩に対して異なる受容もしくは興奮発生のメカニズムの違いを推定させた。3)従来他の細胞系で知られている細胞内二次伝達候補物質の関与の可能性を調べるために各種細胞内二次伝達候補物質を微小電極法によって細胞内に電気泳動的に注入してみると、C-GMP,C-AMPによって蔗糖応答と同様な味細胞内電位変化を記録することができ、主にC-GMPが味細胞内蔗糖応答発生に関与していることをつきとめた。4)細胞膜のK^+イオンチャネルブロッカ-として知られているTEAを味細胞内に注入することによって蔗糖刺激と同様な電位変化が記録されることから、本研究者がすでに推定していた、蔗糖が味受容膜に吸着することによって、C-GMPの増大がおこり、K^+イオンの透過性が減少し糖応答の発生することが明らかとなった。しかし他の味刺激による味応答発生については不明であったが、本年度の研究によって食塩応答の発生にはC-GMP,C-AMP以外の細胞内二次伝達物質の関与を強く推定させる結果を報告している。苦味応答は蔗糖刺激によって抑制されるが、蔗糖応答は苦味刺激によって抑制されていないという本研究者の結果は、他の細胞で知られている。IP_3の活動はC-AMP,C-GMPによって抑制されるが、C-AMP党はIP_3によっては抑制されないという事実と、本研究者のIP_3注入による実験結果から、苦味応答発生にはIP_3が関与している結果を得て報告した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "Effects of injection of calcium,EGTA and cycilc nucleotidesinto the taste cell of mouse." New York Academy of Science. 510. 662-664 (1987)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "Cyclic nucleotides may mediate taste transduction." Nature(London). 331. 354-356 (1988)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "Voltage-and current-clamp recordings of the receptor potential in mouse taste cell." Brain Research. 445. 363-366 (1988)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "Cross adapted sugar responses in the mouse taste cell." Comparative Biochemistry physiology. 92A. 181-183 (1989)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "Amiloride does not block taste transduction." Comparative Biochemistry physiology. 94A. 653-661 (1989)

  • [文献書誌] 外崎肇一: "味細胞の味応答発生機構" 医学のあゆみ. 148. 335-335 (1989)

  • [文献書誌] L.M.Beidler: "Taste,Olfaction and the Cenral Nervous System(Multiple sweet receptor sites and taste theory)" Rockefeller University Press,NY,U.S.A., 47-64 (1986)

  • [文献書誌] Keiichi Tonosaki: "The Beidler Symposium on Taste and Smell.(Generation mechanisms of mouse taste cell responses)" Book Service Associates,Winston-Salem North Carolina,U.S.A., 93-102 (1988)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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