研究概要 |
マトリックスレジン及びフィラーの材質を一定にし, フィラー含有量のみを変化させた光重合レジンを作製し, 辺縁封鎖性に影響を与えると思われる理工学的性質とアツラー含有量との関係について検討し, 以下の結果を得た. 1.レジン硬化時に発生する体積収縮量の測定 自作の水銀ディラトメーターを使用し, 照射後24時間までのレジンの体積収縮量を経時的に測定し, 重合収縮率を算出した. その結果, 重合収縮辰はフィラー含有量の増加に伴ない, 直線的に減少した. 一方経時的に見ると, フィラー含有量に拘らず, 照射5分後の値で95%に達しており, その後も24時間まで徐々に収縮し続けた. 2.硬化レジンの吸水量および吸水膨張率の測定 試料を37°C蒸留水中に1日, 1週, 1ヶ月, 3ヶ月間浸漬後の吸水量および吸水膨張率を測定した. その結果, 吸水量および吸未膨張率は, フィラー含有量の増加に伴い減少することが明らかになった. また吸水は, 吸水膨張より早期に発現し, とくにフィラー含有量の少ないレジン程, その傾向が著明であった. 3.硬化レジンの熱膨張率の測定 試料を37°C空気中に30分, 1日, 1週, 1ヶ月, 3ヶ月間保管後, 4°C, 60°C間の熱膨張率を測定した. その結果, 熱膨張率は, フィラー含有量の増加に伴ない減少することが明らかになった. また保管気管が長い程, 熱膨張率は減少した. 現在, 臨床のレジン修復を想定した辺縁封鎖性試験方法について, 検討中である.
|