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1988 年度 実績報告書

光重合レジン修復歯の辺縁封鎖性に及ぼすフィラー含有量の影響

研究課題

研究課題/領域番号 62570855
研究機関大阪大学

研究代表者

伊賀 己記  大阪大学, 歯学部, 助手 (90176066)

研究分担者 土谷 裕彦  大阪大学, 歯学部, 教授 (40028709)
キーワード辺縁封鎖性 / 重合収縮率 / 熱膨脹率 / 吸水膨脹率 / 光重合レジン / フィラー含有量
研究概要

Bis-GMAとTEGDMAが重量比で3:1のレジンに、シラン処理した石英フィラーを0、22.4、39.5、50.3、63.5、69.5、71.1vol%混入した光重合レジンを用いて、V級修復の辺縁封鎖性と、フィラー含有量との関係について実験的に検討した。
辺縁封鎖性試験はヒト抜去大臼歯頬側面に形成したV級窩洞を前処理し、光重合レジンを充填・硬化させた後、以下の5群に分けて行った。すなわちA群(5分後仕上げ)、B群(5分後仕上げ、サーマルサイクリング負荷、以下TC負荷と略)、C群(1日間水中浸漬後仕上げ)、D群(1日間水中浸漬後仕上げ、TC負荷)、E群(1日間水中浸漬後仕上げ、3ヵ月間水中浸漬後TC負荷)である。ついで、色素液に1日間浸漬後、充填物中央で縦断し、充填物と窩壁との界面への色素侵入の程度、および充填物に近接したエナメル質の亀裂を観察した。その結果A、B群では、フィラー含有量に関係なく辺縁封鎖は不良であり、C群では良好であった。D群では、歯頚側において、色素侵入はフィラー含有量が39.5vol%以下のレジンに、また亀裂は50.3vol%以下のレジンに多く見られた。E群では、フィラー含有量に関係なく歯頂側の辺縁封鎖は良好であり、歯頚側では、D群と比較してフィラー含有量の少ないレジンにおいても辺縁封鎖が向上した。
以上の結果及び前年度の結果から、光重合レジンV級修復歯における辺縁封鎖性には、照射直後ではフィラー含有量に伴って変化する重合収縮率の大小よりも、重合収縮により生じた応力が大きく関与しており、1日経過後では応力は大部分緩和され、主として歯質との熱膨脹率の差が辺縁封鎖性に影響する事が示唆された。また3カ月間水中浸漬した場合には充填物が吸水膨脹し、フィラー含有量の少ない修復歯においても熱膨脹率の影響を受けにくくなり、辺縁封鎖が良好になる事が示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊賀己記: 日本歯科保存学雑誌. 32. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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