焼付用合金と陶材の温度依存の物理、機械的性質及び複合化にあたっての素材の力学的挙動と作製条件との関係について調べ、以下に示すように結果を整理した。 1.本研究に係わる分野の研究場況を整理し、研究目的を達成するに必要な項目を明らかにした。そして、シミュレ-ションプログラムを開発、利用して以下の3〜5に関して有益な結果を得た。 2.市販焼付用合金の現況について調べ、今後、研究開発の必要性をもつPd基の焼付用合金の合金組織と熱膨張係数の温度依存性、相変態と熱膨張係数の関係について調べた。そして、固有状態で変態をもたない2元合金の熱膨張係数の推定法を明らかにした。また、一次相変態、二次相変態と熱膨張係数の関係を定量的に明らかにした。 3.陶材の冷却速度と残留応力の関係、残留応力の発生機構の定量的解析を行い、冷却速度と陶材使用時の強度の関係を明確にした。 4.陶材のガラス転移温度域での粘弾性挙動の解明を試み、陶材の冷却時のガラス転移温度域での挙動と加熱時の加熱速度、外からの負荷荷重、変形温度の関係を明らかにした。 5.陶材/合金積層板の適合性につして、シミュレ-ションプログラムを利用して実用材料について熱膨張係数、陶材の粘度、冷却速度と残留応力の関数について調べた。その結果、陶材のガラス転移温度域での熱膨張係数の適合と冷却速度が重要な因子であることが明らかにされ、相互の関係について定量的に調べた。 6.陶材及び陶材/合金積層板中の残留応力の評価法として熱衝撃試験を試み、冷却速度と残留速度と残留応力の関係を熱衝撃試験により明らかにした。
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