研究課題/領域番号 |
62570881
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
五十嵐 順正 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20107303)
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研究分担者 |
河田 守弘 昭和大学, 歯学部, 助手 (90195107)
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キーワード | 欠損歯列 / 下顎支持域 / 遊離端義歯の設計 / Konus Krono / 改良したR.P.I.(R.P.P.I.) / 遊離端部人工歯排列 / 咬合圧の入力制限 |
研究概要 |
遊離端義歯の設計において、義歯の機能回復の第1の要件は下顎位の回復にある。そこで遊離端欠損患者の下顎位の安定性を測定するため下顎支持域という概念を導入した。下顎支持域の測定は口腔内に設定した3ヶ所の変位センサ-によって客観的に表示される。本年は遊離端義歯の設計について次の条件下での観察を行い次の知見が得られた。 1)クラスプ義歯における前処置と設計の影響について 〈結論〉 (1)検討した4種の支台装置の内、下顎支持域の回復を示す上下顎々間距離の変化はKrol型R.P.I.、Kratochril型R.P.I.、R.P.P.I.、Konus Kroneの順に減少した。 (2)Krol型R.R.P.I.とKratochril型R.P.I.はKonuskroneと比較し有意に大きな変化を示したがR.P.P.I.とKonus Kroneの間に有意差は見られなかった。(P=0.05) (3)in vitroにおけるR.P.P.I.とKonus Kroneの連結自由度の差違は大きく製作上の改善が望まれた。 2)遊離端義歯における人工歯排列と義歯の機能について 遊離端義歯の人工歯排列を第2大臼歯までとした場合(F.C.)と第1大臼歯まで(R.C.)とした場合の双方について下顎支持域の安定性、咀嚼効率、維持歯の負荷の3点を検討した。その結果、 (1)下顎支持域の安定性を示す上下顎々間距離の値の変化はF.C.とR.C.では大差なくF.C.の方がR.C.より5〜50μm小さい値を示しR.C./F.C.は116±14%であった。 (2)咀嚼効率はR.C.で小さくR.C./F.C.は60±26%であった。 (3)維持歯の負荷はR.C.で小さくR.C./F.C.は64±14%となった。 以上より咀嚼効率に問題は残るが維持歯の負荷軽減、義歯による下顎位の支持作用の点からみて、遊離端義歯の人工歯排列を症例によっては第1大臼歯と短縮することは有効な設計法であるといえる。
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