研究概要 |
歯科診療過程におけるX線検査の有用性は甚だ大きい。日常の診療においては欠くことの出来ない検査の方法であることは既によく知るところであるが,かならずしもその選択基準は明確ではない。本研究では基礎的X線検査に関連した資料の作成を試みた。 (1)頭部規格撮影装置を利用した。口内法撮影によりサブトラクション法をより現実的なものとし,本システムは,歯周病,根光病巣等の経過観察に使いて有用であり,昨年度作成した,頭部固定装置を使用して,再現性の高いX線写真像が得られた。現在もファントームを用いて実験中である。 (2)長期にわたる臨床研究では予後の判定が問題となるX線幾何学的関係の維持とX線照射線量の再現性が問題点であり,この為には写真濃度を校正するデジタルサブトラクションのプログラムを作成し,これをフアントームを用いた実験を行った。又,初期治療を行った患者のX線写真に応用したところ良い結果を得た。 本研究では当初の課題であったX線検査の選択基準の決定にはひとつの資料になるといえるが,本研究の目的とする課題はあまりにも遠大であり短日に出来得ない多くの課題を残した。
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