研究課題/領域番号 |
62570896
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学部, 教授 (80026921)
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研究分担者 |
松木 優典 京都大学, 医学部, 助手 (90165796)
村上 賢一郎 京都大学, 医学部, 講師 (00174269)
廣岡 康博 京都大学, 医学部, 助手 (60173275)
西田 光男 京都大学, 医学部, 講師 (50154620)
兵 行忠 京都大学, 医学部, 講師 (70115921)
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キーワード | Le Fort I型骨切り術 / 下顎枝矢状分割法 / 鼻高 / 下顎角 / 顎口腔機能 / 下口唇知覚異常 / 関節雑音 / 関節部痛 |
研究概要 |
1.上顎骨切り術の術後評価:Le Fort I型骨切り術により上顎骨の前方移動を行った症例につき、術後の形態的評価を行った。その結果本術式によりSNAに平均3度の増加が得られること、および鼻尖点の移動量と比較して、鼻下点の移動量の前方移動量が大となるため、鼻高は洞少していることが判明した。そのためNasal angleおよびNasal heightは減少する傾向を認めた。また上口唇点は、上顎中切歯の下方移動に伴い下方に移動し、そのためNasolabical angleは増加する傾向を認めた。 2.下顎骨切り術の術後評価および術後予測に関する研究を行い、下顎骨切り術中、最も良く施行された術式である下顎枝矢状分割法による下顎角部の形態的評価を行った。特にGonial angle、Ramus inclinationの改善度について、術後1年以上経過した45症例について頭部側方X線規格半眞により調査した結果、それぞれ平均4.3度、4.5度の改善が得られることを見出した。また顎顔面硬、軟組織形態の術後予測につき、三次元的に正確で簡便な予測方法を考案、確立した。 3.外科的矯正手術の顎変形症手術患者の顎口腔機能に対する影響:178例の術後患者のアンケート調査により、咀嚼機能は80.2%の患者で良好であった。下口唇の知覚異常は、約50%の患者で1年以内に消失し、2年後では下顎枝矢状分割法では37.9%、下顎前方業槽骨切り術では33%の患者に知覚異常が移遺していた。開口障害は、術後6ケ月以内に全例において消失していた。関節雑音は、術後経時的に減少し、2年経過時で17.9%の患者に認めた。関節の運動時痛は、顎間固定解除時において38.7%の患者に認めたが、術後3年経過時には全例において消失していた。今後さらに多数例につき、術後の形態的評価のみならず、顎口腔機能につき、長期的なfollow-up studyが必要であると考えられた。
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