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1988 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の予後判定に寄予しうる組織形態パラメーターの統計学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 62570898
研究機関大阪大学

研究代表者

石田 武  大阪大学, 歯学部附属病院, 助教授 (50028768)

研究分担者 渕端 孟  大阪大学, 歯学部, 教授 (70028728)
古川 惣平  大阪大学, 歯学部, 助手 (80173524)
藤本 雅彦  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
福田 康夫  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
キーワード舌癌 / 扁平上皮癌 / DNA ploidy解析
研究概要

腫瘍細胞核DNA量の定量方法を決定するために予備実験として、扁平上皮癌症例10例のパラフィンブロックを用いて単離細胞の塗抹標本と5ミクロンの厚さの組織切片を作製し両者をDAP1染色の後、腫瘍細胞核100個の蛍光量を測定し、DNA量のヒストグラムを作製比較したところ、DNA ploidy patternにかなりの差が認められた、これは切片上での蛍光測光の測定精度の不良に起因すると考えられたので、今回の研究では単離細胞の塗抹標本を利用することにした。大阪大学歯学部附属病院で組織学的に扁平上皮癌と診断され、放射線治療がなされた舌癌症例のうち充分な予後の追跡がなされ、パラフィンブロックが利用可能であった25例から単離細胞塗抹標本を作製し、DAP1染色の後、50〜100個の腫瘍細胞核の蛍光量を測定しDNAヒストグラムを得た、このヒストグラムよりAuerらの分類(タイプI:2Cに単一のピークを示すもの、II:2Cおよび4Cにピークを示すもの、III:2Cから4Cの間のDNA量を持つ細胞の多いもの、IV:2Cから8Cを越える幅広い分布をしめすもの)に従ってDNA ploidy patternを決定した。タイプI、IIをlow plordy groupタイプIII、IVをhigh ploidy groupとして2群に分け、Kaplar-Neter法によりそれぞれの生存率曲線を求めたところ、high ploidy groupの方が予後が悪い傾向にあった。そこで2群の生存率曲線の差を、logrank検定及びCox-Mantel検定を用いて検定したが、統計学的有意差は得られなかった。各群における死亡例数はlow ploidy groupが11例中死亡4例(36%)、high ploidy groupが14例中死亡9例(64%)で、high ploidy groupに死亡例が多かった。症例数を増やし、Stageや治療方法、組織学的悪性度などの他の因子を組み合わせて更に精度の高い客観的悪性腫瘍評価方法を検討することが今後の課題と考える。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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